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2011 年度 実施状況報告書

幼児期における空間的思考力の育成に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530858
研究機関広島大学

研究代表者

杉村 伸一郎  広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40235891)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード空間的思考 / 空間的行動 / 幼児 / 幼児教育 / 保育
研究概要

本研究の目的は,幼児期における空間的思考力の育成を考える上で基礎となる科学的な知見を得ることであった。そのために,今年度は,幼稚園における空間思考の観察と,幼児の空間的思考に影響を与える要因の実験的検討を行った。 観察は,来年度以降の本観察に向けて,年中児と年長児を対象に予備的に行った。空間的思考に該当するとおもわれる幼児や保育者の行動観察の結果から,空間的思考を分類する枠組みを作成した。その過程で,当初想定していたよりも,空間的思考を幅広く捉え,空間的行動も含めた方が,幼児教育や保育実践にも有用であると考えられた。 実験的検討は2つ行った。1つは,幼児における玉の位置や軌道の理解を明らかにするとともに,それに対する援助を臨床法により検討した。その結果,空間情報の継次的処理と同時的処理という観点が,空間的思考を捉える際に有効であることが明らかになった。 もう1つの実験では,幼児の空間認知における空間言語の役割を,再構成課題を用いて検討した。具体的には,3歳から6歳の幼児を対象に,対象の方向性の明確さを操作することにより,対象の方向性が相対的反応に及ぼす影響を検討するとともに,空間言語の理解の程度を測定し,相対的反応と空間的言語能力との関連を検討した。その結果,相対的反応の割合と空間的言語能力は年齢の増加につれて高くなったが,相対的反応の割合は,対象の方向性の明確さの影響をあまり受けず,空間言語の理解の程度との関係も顕著にはみられなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度は,研究1「観察により幼稚園における空間的思考の実態を明らかにする」と研究2「実験や調査により幼児の空間的思考力の個人差を把握する」を予定していたが,研究2は,実施できなかった。しかし,平成24年度以降に予定していた,研究3「実験により幼児の空間的思考に影響を与える要因を検討する」の一部を実施したので,研究全体は,おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

平成24年度は,今年度行えなかった研究2「実験や調査により幼児の空間的思考力の個人差を把握する」を中心に行うとともに,研究1「観察により幼稚園における空間的思考の実態を明らかにする」と研究3「実験により幼児の空間的思考に影響を与える要因を検討する」を継続して実施する。

次年度の研究費の使用計画

繰越額は少額であったので,次年度は当初の予定どおり研究費の使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 幼児期における軌道のイメージの発達過程2012

    • 著者名/発表者名
      村田観弥・杉村伸一郎
    • 雑誌名

      関西大学文学部心理学論集

      巻: 6 ページ: 11-21

    • URL

      http://kuir.jm.kansai-u.ac.jp/dspace/handle/10112/7923

  • [図書] 心理学の新世紀3 教育・発達心理学2012

    • 著者名/発表者名
      湯澤正通・杉村伸一郎・前田健一
    • 総ページ数
      482
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

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公開日: 2013-07-10  

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