映像利用の発達心理学研究法の構築を最終目的に、発達心理学の映像実践と、他領域及び日常の各種映像実践を比較した。(1) 子どもの図像・映像資料の収集と分析については社会文化歴史的相対化として、国内外の子どもの映像に関する表象分析から普遍的発達表象と個別的発達表象の下位カテゴリを抽出した。(2) 子どもを巡る映像実践に関するフィールド縦断研究を行った結果、発達事象の映像メディア化の効果は、映像発達研究法の可能性に関して、単に映像民族誌学的手法の応用や、発達の映像記録といった技法面だけでなく、発達、育児環境の支援システム構築や、子どもの発達そのものへの影響という広範で重要な役割を持つことが分かった。
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