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2013 年度 実施状況報告書

情動表出についての認識の発達:幼児期3年間の縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530868
研究機関東洋大学

研究代表者

久保 ゆかり  東洋大学, 社会学部, 教授 (10195498)

キーワード情動経験 / 情動表出 / 情動経験の認識 / 情動表出の認識 / 幼児期 / インタビュー調査
研究概要

前年度には、4歳児に、園生活における自身の情動経験と友だちの情動経験について尋ね、自身の場合と他者の場合とは異なるのかどうか、また、それについてはどのような個人差があるのかについて、検討した。当該年度では、その4歳児達の1年後を追い、5歳となった子ども達に、情動経験および情動表出の機能についての認識を尋ね、その変化と多様性を検討した。
その結果、全体としては、うれしい経験については約9割の子どもたちが自他共にあると応えたが、悲しい経験についてはあるとした子どもたちは6割に満たず、怒った経験についてはあるとしたのは1/3に過ぎなかった。特に、自身が怒った経験があるとした子どもは1/4に過ぎなかった。1年後の年中組(5歳)時点になっても、自他のポジティブな情動に比して、ネガティブな情動の経験は捉えられにくい、あるいは語られにくいことが窺える。また、それらには多様な個人差があり、4歳から5歳にかけて、語られる情動経験の種類は全般的には増えるものの、自他の情動経験についての捉え方・語り方には、依然として広範な多様性のあることが示唆される。 一方、情動表出の機能については、多くの子どもたちが何らかの認識を語ることが多かった。その認識内容には、多様な個人差が見られた。
26年度にはさらに、その子ども達の6歳時点を追い、就学前期3年間の変化を検討することとする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.縦断的データの対象者数が確保できたこと:前年度にインタビュー調査を実施した4歳児31名のうち28名が、1年後のインタビュー調査にも参加することが可能だった。約9割の継続率を保つことができた。
2.インタビュー調査において、情動表出の認識を尋ねる質問を実施することができたこと:情動表出の認識を尋ねる質問は、4歳児には、回答することが困難であったが、5歳になった時点では、ほとんどの子どもたちが、質問の意味を理解し、何らかの考えを回答することができた。
3.インタビュー調査を補完する、参与観察についても、当初の計画通りのスケジュールで実施することができた。

今後の研究の推進方策

26年度には、当初の研究計画の通り、6歳時点でのデータ収集に取り組むこととする。
24年度に対象とした4歳児達の1年後を、25年度には追った。26年度にはさらに、その子ども達の1年後の6歳時点を追い、縦断的データを蓄積していく。園生活における参与観察も、26年度には年長組において実施し、フィールドノーツとしてデータを蓄積していく。
それらを総合して、就学前期3年間の変化について、その成長の道筋と、その多様性について、検討することとする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 幼児は感情経験をいかに語るか ― 園での行事経験についての横断的インタビュー2014

    • 著者名/発表者名
      久保ゆかり
    • 雑誌名

      東洋大学社会学部紀要

      巻: 51巻 ページ: 23~38

  • [学会発表] 園生活における自他の感情経験の有無について幼児はいかに応えるか ― 年中組(5歳)時点における多様性

    • 著者名/発表者名
      久保ゆかり
    • 学会等名
      日本発達心理学会
    • 発表場所
      京都大学
  • [図書] 表示規則 In 日本発達心理学会 編 発達心理学事典2013

    • 著者名/発表者名
      久保ゆかり(共著)
    • 総ページ数
      404~405
    • 出版者
      丸善出版株式会社

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公開日: 2015-05-28  

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