ソーシャルスキル教育および感情教育に関する研究 今年度は、最終年度ということからこれまでの成果を、国際学会で発表するとともに、海外で著名な研究者を招待し、日本では最大級の日本教育心理学会での特別講演や公開シンポジウムでの企画を通して交流を重ね、つぎへの展開への知見を得るほか、成果をまとめることに焦点を当てた。まず、国際学校心理学会(7月、ポルトガル)では感情リテラシーの発表を行い、8月には研究協力者であるカリフォルニア大学の先生や、PBISで著名なコネティカット大学の先生、また、ヨーロッパ学校危機対応の組織から講師をお招きし、学校予防教育としての心理教育プログラムや感情リテラシー、教員研修システムなどについて交流した。ソーシャルスキル教育に感情教育の可能性を加味た、社会性と感情の学習(SEL)など、プログラム自体の魅力的な教材や、カリキュラムの改善案などをまとめることができた。また、学校の風土や雰囲気、クラスの雰囲気や、学校という物理的な環境、コミュニティ等学校全体を子どもたちにとって安全で平和な場にすることの必要性を新たに認識した。 また、社会性や感情のアセスメントツールであるZoo-U Japanの成果も、ポルトガルの学会で発表し、日本とアメリカで文化的な差と思われる特徴を見出した。いずれも10歳前後を対象とした比較であるが、これについては、共同研究として、海外の雑誌に投稿する予定であり、積極的にコミュニケーションを重ねた。実績として、他にも書籍や年報といった形で発表した。おおよそ、カリキュラム、一つのセッションでの流れ、アセスメントなど体系化することができた。
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