新しい教育施策の展開により「特別支援教育」が重視されるようになってきた。しかし、広汎性発達障害に比べると重度・重複障害のある子どもへの対応は遅れている。本研究は、障害が重度な子どもに対する個別の教育支援を検討するために以下の2点を研究目的とする。 (1)これまでに開発してきた「学習到達度チェックリスト」と、「新版K式発達検査2001」による縦断的な発達評価を実施し、本チェックリストの外部妥当性を検討し、その改訂を行う。 (2)コミュニケーションの発達水準は1歳前後の場合が多く、共同注意の発達変化に焦点を当てた支援者との相互交渉の変化を分析し、個人差に対応した支援行動のモデルを提案する。 平成25年度は、平成24年度に引き続き、「学習到達度チェックリスト」の項目、発達の段階意義を修正した。また、国語の観点における発達経路を修正し、さらに算数の観点での行動項目を整理し、発達経路を提案した。 これらの研究の結果をまとめ、重度・重複障害児のコミュニケーション指導の基礎に位置づく、共同注視や共同注意の形成に向けた「発達段階に対応した支援行動モデル」を開発した。さらにこれらの結果から、「学習到達度チェックリスト」の改訂に取り組んだ。
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