まだ話をしない乳児とのコミュニケーションがどのように成り立ち,発達的に変化するかを検討するため,日本および米国の親子を対象に,親による子どもの代弁について検討した。代弁とは,乳児の感情や意図,行為を言語化することである。まず,日本の乳児と親とのやりとりを分析し,代弁の機能について検討した。その結果,親が用いる代弁には,子どもの促進や言語化だけでなく,親のためにも用いられていることがわかった。また,米国の親子の代弁についても検討した結果,米国の親も子どもの代弁を用い類似する機能を持ちうるが,日本では代弁を用いる状況であっても国では用いられないなど相違がみられる場面も見いだした。
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