本研究では,我が国の大学におけるハラスメント問題の生起状況や特徴を明らかにした上で,ハラスメントの相談や問題解決過程における来談者への有効な援助のあり方,効果的な予防活動のあり方について検討した。 大学におけるハラスメントは,特定の関係性や環境の中で生じやすいこと,「暴力」やそこに至る「コミュニケーション」という視点からの理解が重要であることが明らかになった。したがって,相談・対処・予防の各段階で,これらの視点に立った支援・介入を行うことが重要である。また,来談者のニーズはハラスメントの種類によって異なり,それらに応じた心理的支援と現実的介入を検討・実践することの必要性が示された。
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