研究課題/領域番号 |
23530889
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
青木 佐奈枝 筑波大学, 人間系, 准教授 (80350354)
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キーワード | 現実生活体験 / 遊び体験 / 解離 / 現実感 |
研究概要 |
本研究は、現代青年の精神健康向上を考える一連の研究の中に位置し、近年、社会的にも問題となっている現実生活体験の減少が青年期のパーソナリティ形成や社会適応に及ぼす影響の検討に焦点を当てたものである。本研究では、現代青年の現実生活体験―実際に体を使い実物に触れる体験、直接的な対人交流を伴う体験などリアルな日常生活体験、遊び体験―に注目し、その特徴を量的及び質的に把握するとともに、「現実生活体験」「遊び体験」が「現実感の希薄さ・解離傾向」「共感性」「コミュニケーション能力」にどのような影響を与えているかについて検討する。また、社会適応や精神健康度との関連についても併せて検討することを目的とする。 当該年度においては、以下4点を行った。 1.前年度の研究成果(研究1)についての学会発表。日本心理臨床学会大会等で①「現実生活体験尺度」の作成、②「遊び体験尺度」の作成、③両尺度を用いての現実生活体験および遊び体験の実態調査結果について、口頭発表を行った。 2.尺度の改良と再調査。1での学会発表結果をもとに「現実生活体験尺度」「遊び体験尺度」の改良を行い、新しい尺度を用いて再調査を行った。 3.研究2の実践。①現実生活体験および遊び体験と現実感との関連についての検討、⑤現実生活体験および遊び体験と心的外傷体験が非現実感に与える影響についての検討を行った。 4.研究3の準備。国際学会においての情報収集。その情報をもとに非行少年版「遊び体験尺度」及び「遊び体験尺度」を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度(平成24年度)の実施計画では以下の3点を行うことを予定していた。 1.「現実生活体験尺度」「遊び体験尺度」の修正・改良 2.一般青年群を対象に現実生活体験・遊び体験の実態調査・質問紙調査 3.青年期における現実生活体験・遊び体験と精神的健康に関する要因との関連の把握。特に現実感・解離傾向、トラウマ体験、共感性、対人交流スキル、精神健康、社会適応との関連を把握するための質問紙調査の実施。 このうち、1~2は当初の計画通り実施された。3についても一部を除いては実施された。また、当該年度(平成24年度)に新たに実施計画に加え、実施したこととして、4.研究3の準備。国際学会においての情報収集。その情報をもとに非行少年版「遊び体験尺度」及び「遊び体験尺度」の作成がある。すなわち、平成25年度施行予定の計画と平成24年度施行予定の計画を一部組み替えたが、概ね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は以下を行う予定である。 1.「現実生活体験尺度」「遊び体験尺度」の再修正・再改良 2.1を用いての一般青年群を対象とした実態調査(平成24年度までよりも大規模に行う) 3.青年期における現実生活体験・遊び体験と精神的健康に関する要因との関連の把握(特に平成24年度に施行できなかった部分を中心に行う)。すなわち、幼少期の現実生活体験・遊び体験が現代青年の非現実感、共感性、対人スキル、社会適応に与える影響について、調査を行う。 4.非行青少年群と一般青少年群の比較研究。2~3について両群での比較検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、前年度までに作成・改良した尺度を用いて、前年度よりも大規模調査を行う予定であり、また、これまでの成果について国際学会および国際学会誌での発表も予定している。また、非行臨床群と一般青少年群の比較を行うに当たり、各国の状況についても下調べを行い、尺度を改良したうえで調査を実際する予定である。この部分について研究費を使用する予定である。具体的には以下のとおりである。 1.前年度までの研究成果発表(国際学会および国際学会誌への掲載)にかかる旅費・英文校正費など諸経費。 2.前年度までに作成した「現実生活体験尺度」「遊び体験尺度」を用いての拡大調査 にかかる物品費、人件費(データ打ち込み整理費・調査者謝礼など)旅費など諸経費。 3.非行臨床群と一般青少年群の比較調査にかかる人件費、物品費(検査用具など)、旅費などその他諸経費 4.その他。3を行うに当たり、各国の状況・および先行研究についての下調べ(物品費、人件費、旅費など諸経費。2~4の成果発表、および追加調査研究
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