研究課題/領域番号 |
23530891
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 亜矢子 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 准教授 (50271614)
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研究分担者 |
武田 信子 武蔵大学, 人文学部, 教授 (00247123)
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キーワード | school counseling / whole school approach / classroom climate / consultation / United states of America / Korea |
研究概要 |
<研究1 実践のためのツールづくり>Aアセスメントツール:Co-Vital質問紙について約1400名のデータから妥当性等を検討した(一部を米国(WPA)で発表)。また、レジリエンスや学級風土との関連など応用可能性検討のため中学校2校8学級でデータ収集を継続した。Bコンサルテーション:Korthagenモデル(武田,2010)を用いたリフレクションシートの試行を通年で行い、7月にはKorthagen氏から指導を受けた。それらや11年度作成の小冊子の内容を加味した教員研修・スクールカウンセラー(以下SC)研修を行い内容を検討した。C心理教育:5~11月には、前年度計画どおり公立私立中学校にて年間を通じたプログラムによる心理教育などバリエーションを増やした心理教育を実施した。成果の一部を国際学会(ACP)で発表。 <研究2 テキスト作成>米国のSC国家基準執筆者であるDahir氏とのskype会議およびSCのFocusグループによる事例収集を継続し日本語版執筆を継続。前年度からのいじめ被害加害者の保護者面接テキスト訳出について2校を終え、現在3校目の監訳など出版社と刊行準備中(13年度内の刊行)。 <研究3 SC制度とモデルの検討> 国際ネットワークを活用し、韓国・フィリピンについて渡航と情報収集を行い、現地SC・研究者との交流・モデル検討をすすめ(7月国際学校心理学会等で発表予定)、日韓での学級風土調査を行った(現在論文執筆中)。SC活動について日韓実施予定の質問紙を作成し予備調査を行った。現在、最終調整中。また、10月には日本のSC活動についてフィリピンのSC大会で発表した。 <研究4 サイトによるSC支援>学級風土質問紙(小学版・中学版)の自動分析システムについて、コメントの自動表示の充実など、さらなる実用性を検討し、中学校のべ45学級、小学校のべ18学級で試行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テキスト作成作業について、より理解しやすい日本語(翻訳文)作成のため、訳出作業を3,4回重ねているために、出版がやや遅れている。 国際調査について、学級風土および個人の資質についての質問紙については、日韓、日米で実施できたが、SC活動については、国によるSCの持つ知識経験の違いを超えて回答できるものを、時間をかけて模索したため、実施が13年度となりやや遅れている。 その他については、概ね順調であるが、本年中のまとめと公表が課題である。
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今後の研究の推進方策 |
<研究1 実践のためのツールづくり>Aアセスメントツール:12年度収集のデータより、個人の資質と学級風土との関連など分析を進める。学級風土質問紙についても、12年度に再調整した研究計画で広くデータ収集分析を継続する。Bコンサルテーション:省察をより促進するようシートおよびコンサルテーションの方法に改善を加える。より多くの学級を支援できるよう短時間でできる実施方法2パタンを、中学校約90学級を対象に6月~8月および10月~12月の年2回試行して検討し、成果をまとめる。C心理教育:12年度実施のものを継続し、教師用ガイドなどツールをまとめる。 <研究2 テキスト作成>米国のSC国家基準執筆者であるDahir氏とのskype会議および現役SCのFocusグループによる内容検討・事例収集を継続し、学会発表すると同時に、執筆を進め、一部は論文化する。いじめ被害加害者の保護者面接についてのテキストについては年度内に出版する。 <研究3 SC制度とモデルの検討>執筆中の日韓での学級風土調査について投稿する。最終調整中のSC活動についての調査について、6月~9月にSC活動について日韓で質問紙を実施し分析、論文化する。日本のSC活動について欧文誌に投稿する。 <研究4 サイトによるSC支援>学級風土質問紙(小学版・中学版)の自動分析システムについて、コメントの自動表示など、さらなる実用性を付加すべく検討を継続する。
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次年度の研究費の使用計画 |
<研究1 実践のためのツールづくり>Aアセスメントツール:ほぼ順調に進んでいるので論文化に向けた資料整理(分析補助・図表作成)の費用が必要である。また、学級風土質問紙についても12年度より新たに調査計画をたて、そのための費用を13年度に繰り越し、13年度に全国調査を再度実施予定である(40万円程度)。Bコンサルテーション:学級風土コンサルテーションに関わる資料整理(結果の整理および図表作成等)の費用が必要である。C心理教育:ツールのまとめを行うにあたり資料整理等の費用が必要である(BとCで40万円程度)。 <研究2 テキスト作成>Focusグループによる内容検討・事例収集の国内外の学会発表費用等が必要である(国際学校心理学会於ポルトガル等計55万円程度)。 <研究3 SC制度とモデルの検討>最終調整中のSC活動についての調査について実施が13年度となったため実施費用を13年度に繰り越し、質問紙実施に関わる費用(印刷・発送作業・郵送・入力・分析補助等)を13年度に執行する(60万円程度)。日本のSC活動について欧文誌に投稿する(英文校閲等10万円程度)。 <研究4 サイトによるSC支援>学級風土質問紙(小学版・中学版)の自動分析システムについて、コメントの自動表示など、さらなる実用性を付加すべく検討を継続する(専門的知識の提供等費用20万程度が必要)。その他全体を通して記録媒体・紙・文具等の消耗品等5万円程度が必要。
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