研究課題/領域番号 |
23530893
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
伊藤 宗親 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 准教授 (10282310)
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キーワード | ロールシャッハ法 |
研究概要 |
ロールシャッハ法における主観的反応評価を用いた鑑別指標を作成する目的で、精神病群ならびに非精神病群の実施データを各群20例ずつ収集した(精神病群は統合失調症、非精神病群はパーソナリティ障碍が主な対象)。方法としては、片口法を実施法として用い、本法に加えてExner法によってもスコアリングを行った。手続きとしては、同意を得た上で、被検者の自由反応段階と質疑段階に加えて、限界吟味段階に位置づけられた主観的反応評価を各反応に対して求め、その評価をデータに加えている。 これまでに得られたデータのスコアリングについては、国際的基準になりつつあるExner法にすべて統一した。ただし、その形態水準を決定する際には、ロールシャッハ形態水準ポケットガイド(第3版)(2004)を参照した。また、すべての反応データを実施者ならびに他の臨床心理士(申請者を含む)によって検討し、スコアリングについて不一致が生じた際には協議による検討を経て、スコアリングを確定しその一致率も担保されている。 現在のところ、H25年度の目標である指標の作成に着手しており、その前段階である通常の各ロールシャッハ指標の疾患群間による差異を検討している。続く段階では、主観的反応評価の群間比較ならびにそれらを組み入れた指標の作成に進展する予定であり、進度は概ね計画通りである。なお、指標作成の作業と並行して、疾患の特徴を吟味しつつ対象となり得る被検者に対して予備的にデータを収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りのデータ数を確保し、現在は鑑別指標の作成に取りかかっている。現在は、どの指標とどの指標を組み合わせるかを統計的手続を中心に検討中であり、予定通りの進度で進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
より好ましい鑑別指標を作り上げるために必要であると判断された場合は、例数の増加とそれに伴う研究活動を増加させるが、概ね現状で可能と判断されれば、現在行っている作業をH25前半まで続ける予定である。なお、H25後半は成果発表の準備期間とし、併せて、今後の本研究テーマのさらなる進展を計画・準備することを計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記、指標の作成に関してより精度の高い指標のための改変等を行い、その成果を国際学会で発表予定である。そのため、主たる支出は、国際学会発表のための渡航費ならびに参加費であり、その費用を計上してある。
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