ロールシャッハ法において、新たな指標を導入し、精神病圏と非精神病圏とを鑑別する方法の検討を行った。新たな指標には、被検者自らが自身の反応を評価する主観的反応評価が用いられ、この指標と旧来の指標との組み合わせや新たな指標の鑑別における価値が検討された。 結果、各指標の中でも、Xu%(対象を曖昧に知覚する割合)だけが精神病/非精神病を鑑別し得るという結果が得られ、新指標の直接的な鑑別上の価値は見いだせなかった。しかしながら、精神病群においてのみ、新指標とXu%との間に有意な負の相関が認められた。このことは、精神病/非精神病を鑑別する指標として、さらなる検討を行う価値があると考えられた。
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