本研究は,平成21年6月から12月にかけて,F刑務所に受刑していた女子受刑者約700名の反則行為に関する縦断的なデータを用いて,(1)反則行為の生起パターンによる受刑者の類型化,及び(2)個人及び環境要因の反則行為に対する影響について検証した。その結果,(1)反則行為は,生起確率が上昇する「高反則型」と生起確率が下降する「低反則型」に分類できることが示された。また,(2)反則行為に影響を及ぼす要因としては,個人要因としては過去の反則行為率が高いこと,環境要因としては収容率の高い工場に所属していること,さらに,過去の反則行為率の影響は,収容率が高い工場ほど大きくなることが,見いだされた。
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