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2011 年度 実施状況報告書

対人ストレスコーピングに関する実践的介入研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530905
研究機関長崎大学

研究代表者

谷口 弘一  長崎大学, 教育学部, 准教授 (20411051)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード対人ストレスコーピング
研究概要

対人ストレスコーピングの実践的介入に先だち,小・中・高校生を対象にして,3種の対人ストレッサーそれぞれに対して,3種の対人ストレスコーピングの使用頻度と精神的健康との関連を検討した。対人ストレッサーは,(1)対人葛藤(他者が自分に対してネガティブな態度や行動を示す状況),(2)対人過失(自分に非があって相手に迷惑や不快な思いをさせてしまう状況),(3)対人摩耗(自他ともにネガティブな心情や態度を明確に表出してはいないが,円滑な対人関係を維持するためにあえて意に添わない行動をしたり,相手に対する期待はずれを黙認するような状況)の3つに分類される(橋本, 2005)。一方,対人ストレスコーピングは,(1)ポジティブ関係コーピング(対人ストレスイベントに対して,積極的にその関係を改善し,より良い関係を築こうと努力する),(2)ネガティブ関係コーピング(対人ストレスイベントに対して,そのような関係を放棄・崩壊する),(3)解決先送りコーピング(ストレスフルな対人関係を問題とせず,時間が解決するのを待つ)の3つに分類される(加藤, 2000, 2003)。対人ストレスコーピングの機能を検討した加藤の一連の研究(2000, 2001, 2002, 2003, 2004)では,「けんかをした」,「誤解された」,「嫌いな人と話をした」など様々な対人ストレッサーをひとまとめにした,いわば全体的な対人ストレッサーに対する対人ストレスコーピングに焦点が向けられている。そこで,橋本(2005)をもとに,対人ストレッサーを3種類に分類した上で,対人ストレッサーそれぞれに対する対人ストレスコーピングの効果をより詳細に検討した。また,対人ストレッサーの経験頻度や対人ストレスコーピングの使用頻度には,男女差が認められていることから,性差も考慮に入れた検討を行った。現在,得られたデータを分析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実践的介入に先立ち,重要な基礎的調査データを収集し,より効果的な実践的介入を行う必要があると判断したため,実際の介入研究にやや遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

本年度の調査データの分析結果をもとに,より効果的な実践的介入となるように介入方法の一部を再検討・調整した上で,介入を実施する。

次年度の研究費の使用計画

次年度に使用する予定の研究費は,介入方法の一部を再検討・調整する費用に充当する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A longitudinal study of the relationship between support reciprocity and mental health (4): Focusing on the early stage of friendship development among high school students.2012

    • 著者名/発表者名
      谷口弘一,田中宏二
    • 雑誌名

      同志社心理

      巻: 58 ページ: 36-42

  • [雑誌論文] A longitudinal study of the relationship between support reciprocity and mental health (2): Focusing on the early stage of friendship development among junior high school students.2012

    • 著者名/発表者名
      谷口弘一
    • 雑誌名

      長崎大学教育学部紀要:教育科学

      巻: 76 ページ: 43-49

  • [雑誌論文] The links between parents' child rearing attitudes, children's social skills, and support giving and receiving in friendships among junior high school students.2012

    • 著者名/発表者名
      谷口弘一
    • 雑誌名

      教育実践総合センター紀要

      巻: 11 ページ: 99-105

  • [雑誌論文] Parental influence on their children's mating relationships.2012

    • 著者名/発表者名
      谷口弘一,Shelli L. Dubbs
    • 雑誌名

      教育実践総合センター紀要

      巻: 11 ページ: 107-110

  • [雑誌論文] ヨガの心理的効果についての調査研究2011

    • 著者名/発表者名
      古宮昇,谷口弘一
    • 雑誌名

      カウンセリング研究

      巻: 44 ページ: 110-117

    • 査読あり
  • [学会発表] 成人愛着スタイルにおける遺伝・環境要因の検討2012

    • 著者名/発表者名
      谷口弘一,西谷正太
    • 学会等名
      日本発達心理学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋)
    • 年月日
      2012年3月11日
  • [学会発表] サポートの互恵性と精神的健康に関する縦断的研究(4)-高校生の友人関係初期に着目して-2011

    • 著者名/発表者名
      谷口弘一,田中宏二
    • 学会等名
      日本社会心理学会
    • 発表場所
      名古屋大学(名古屋)
    • 年月日
      2011年9月19日
  • [学会発表] 研究推進委員会・国際委員会共同企画シンポジウム:教師のメンタルヘルスに関する健康心理学的研究の動向2011

    • 著者名/発表者名
      津田彰,清水安夫,谷口弘一 他
    • 学会等名
      日本健康心理学会
    • 発表場所
      早稲田大学国際会議場(東京)
    • 年月日
      2011年9月11日
  • [学会発表] サポートの互恵性と精神的健康に関する縦断的研究(3)-小学生の友人関係初期に着目して-2011

    • 著者名/発表者名
      谷口弘一,田中宏二
    • 学会等名
      中国四国心理学会
    • 発表場所
      比治山大学(広島)
    • 年月日
      2011年11月13日
  • [図書] 発達科学ハンドブック5-社会・文化に生きる人間-2012

    • 著者名/発表者名
      氏家達夫・遠藤利彦・谷口弘一 他
    • 総ページ数
      346
    • 出版者
      新曜社

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公開日: 2013-07-10  

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