研究概要 |
本年度は札幌あやしや幼稚園の協力を得て、園児とその保護者を対象として自分描画法?SPM)を取り込んだ独自のアンケートを実施した。日常生活で親が子どもと共にSPMに取り組む可能性について探った。結果はIBM SPSSver20等を用いて分析した。最終的には126名(4歳37名、5歳61名、6歳28名)の幼児と保護者から協力を得た(応答率38%)。 10個以上出現した絵は「家族50→顔50→自分44→キャラクター29→友達24→女の子19→ハート15→動物15→ママ13→パパ10→車10」と身近なものだった。気になるのは「キャラクター→自分→動物→アニメ→先生→ゲーム→ケーキ→バス→遠足→仮面ライダー等」だったが、出現回数は最多で「キャラクター」の6回であり個人差が認められた。背景は自然界の絵が多かった。感情の分析結果は、喜び(嬉しい7,楽しい59、幸せ8、安心6、自信1、意欲3、満足3)→興味(関心27、好奇心18)→願い(希望10,期待5,あこがれ21他)が大半を占めた。 保護者は4歳と5歳児では84%、6歳児では79%が「描画に思いが表れる」と答えた。男児では4歳で車や木、昆虫、駅など身近なものに関心が集まり、5歳で仮面ライダー、ロボット、ゲーム等のキャラクターに興味が湧く。6歳ではスーパーや地下鉄、将来といった社会とのふれ合いに関心が向く。女児は4歳では食物や生き物に興味が湧き、5歳では遠足や化粧など社会的関心が高まる。6歳になると洋服、キャラクター、雪など興味・関心の広がりが認められた。自己制御機能傾向[自己主張と自己抑制]から、幼児の向社会的行動を両高型・主張型・抑制型・両低型に分類。両高型が男女とも31~32%を占め、最多だった。他の型は20%代でほぼ均等だった。両高型が思いに関わる絵を多く描き(36%)、他の型は思いに関わる描画の有無ではほぼ変わりがなかった。
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