研究課題/領域番号 |
23530916
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研究機関 | 駿河台大学 |
研究代表者 |
小俣 謙二 駿河台大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60185668)
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キーワード | レイプ被害者 / 被害者非難 |
研究概要 |
本研究は、性犯罪被害者が公的機関や家族、友人などにその被害を訴えたり、相談したりすることを困難にする原因としてしばしば問題とされてきた、被害者への厳しい態度、非難をもたらす心理的要因を明らかにし、第三者のそういった見方、態度を改善する方策を考えるための基礎的データを集めることを目的としている。 23年度では被害者のライフスタイルと第三者の性犯罪に対する態度や性役割観の影響に関する調査結果を検討した。 24年度では、23年度に得たデータの分析を引き続きおこなった。その結果、社会的尊敬度が低い被害者に対しては厳しい態度を第三者はとること、その影響は第三者の性犯罪に対する態度と交互作用をもつことが明らかとなった。こうした結果は論文にまとめ、「社会心理学研究」誌に掲載されることとなった。また、被害者非難は性犯罪に対する態度の影響を受けること、そして、そこには性差も認められることが明らかとなった。これについても現在論文にまとめているところである。 これに加え、24年度では第三者の共感などの影響に関して調査を行った。これは、被害者に対する理解を促進する要因を明らかにする目的で行ったものである。現在、さらにデータを増やしているところである。 以上述べたように、24年度には研究成果の取りまとめと新たなデータの取得が進んでいる。25年度にはさらに共感に関するデータをとり、その問題を発展させる予定である。同時に、それらの成果を学会発表、論文として公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成果でも述べたように、研究計画に従って、データの取得、問題の展開、そして研究成果の公表をおこなっている。その意味で、順調に進行していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初提案した、被害者非難の二段階モデル自体はまだ検討すべき余地が残されている。したがって、結果の分析を実施するなかで、改訂版を提案できるようにしたい。 同時に、被害者支援、あるいは被害者心理への理解を生み出す要因を明らかにする調査を実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
ここまで述べてきた研究の進め方から、来年度は最後の調査を行う予定である。そのために25年度予算ではアンケート印刷費、データ整理のための学生アルバイトの謝金、学会等への旅費を計上したい。また、被害者支援機関への聞き取りなども考えているためその旅費も計上したいと考えている。
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