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2012 年度 実施状況報告書

性犯罪被害者に対する周囲の理解と支援をもたらす要因の社会心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530916
研究機関駿河台大学

研究代表者

小俣 謙二  駿河台大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60185668)

キーワードレイプ被害者 / 被害者非難
研究概要

本研究は、性犯罪被害者が公的機関や家族、友人などにその被害を訴えたり、相談したりすることを困難にする原因としてしばしば問題とされてきた、被害者への厳しい態度、非難をもたらす心理的要因を明らかにし、第三者のそういった見方、態度を改善する方策を考えるための基礎的データを集めることを目的としている。
23年度では被害者のライフスタイルと第三者の性犯罪に対する態度や性役割観の影響に関する調査結果を検討した。
24年度では、23年度に得たデータの分析を引き続きおこなった。その結果、社会的尊敬度が低い被害者に対しては厳しい態度を第三者はとること、その影響は第三者の性犯罪に対する態度と交互作用をもつことが明らかとなった。こうした結果は論文にまとめ、「社会心理学研究」誌に掲載されることとなった。また、被害者非難は性犯罪に対する態度の影響を受けること、そして、そこには性差も認められることが明らかとなった。これについても現在論文にまとめているところである。
これに加え、24年度では第三者の共感などの影響に関して調査を行った。これは、被害者に対する理解を促進する要因を明らかにする目的で行ったものである。現在、さらにデータを増やしているところである。
以上述べたように、24年度には研究成果の取りまとめと新たなデータの取得が進んでいる。25年度にはさらに共感に関するデータをとり、その問題を発展させる予定である。同時に、それらの成果を学会発表、論文として公表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

成果でも述べたように、研究計画に従って、データの取得、問題の展開、そして研究成果の公表をおこなっている。その意味で、順調に進行していると判断した。

今後の研究の推進方策

当初提案した、被害者非難の二段階モデル自体はまだ検討すべき余地が残されている。したがって、結果の分析を実施するなかで、改訂版を提案できるようにしたい。
同時に、被害者支援、あるいは被害者心理への理解を生み出す要因を明らかにする調査を実施する予定である。

次年度の研究費の使用計画

ここまで述べてきた研究の進め方から、来年度は最後の調査を行う予定である。そのために25年度予算ではアンケート印刷費、データ整理のための学生アルバイトの謝金、学会等への旅費を計上したい。また、被害者支援機関への聞き取りなども考えているためその旅費も計上したいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 性犯罪被害者に対する第三者の非難と心理的被害の過小評価に影響を及ぼす要因:被害者の社会的尊敬度と暴力的性に対する女性の願望に関する誤解2013

    • 著者名/発表者名
      小俣謙二
    • 雑誌名

      社会心理学研究

      巻: 29 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Relationship of Sexual Victimization to Risk Perception of Japanese Female College Students.2012

    • 著者名/発表者名
      Kenji Omata
    • 雑誌名

      駿河台大学論叢

      巻: 44 ページ: 143-154

  • [学会発表] 性犯罪被害者非難をもたらす要因に関する心理学的要因2012

    • 著者名/発表者名
      小俣 謙二
    • 学会等名
      日本社会心理学会第53回大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      20121117-20121118
  • [学会発表] 男子大学生の性犯罪被害者に対する見方と痴漢・セクシュアルハラスメントの実行可能性2012

    • 著者名/発表者名
      小俣 謙二
    • 学会等名
      日本心理学会第76回大会
    • 発表場所
      専修大学
    • 年月日
      20120911-20120913

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公開日: 2014-07-24  

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