本研究では性犯罪被害者に対する被害者非難を生む要因を検討した。 まず被害者の社会的尊敬度と第三者の伝統的性役割観について検討した。被害女子学生が社会的尊敬度が低いアルバイト(キャバクラ)をしている場合と第三者の伝統的性役割観が強い場合に非難が強いことが示された。次に、被害者が対処できたという対処可能性評価と第三者の共感能力を介したモデルの妥当性を検討した。調査は2回行い、共感はレイプ神話の受容を介して非難に向かうこと、対処可能性評価は直接非難に影響することを明らかにした。最後に、同様の調査を加害者-被害者関係の異なる二種類のシナリオで一般市民を対象に実施し、現在、結果を分析している。
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