研究概要 |
平成23年度から25年度までの3年間における本研究の目的は, 研究者代表者らが既に実施した面接調査で得た遺族の心理状態と対処行動に関する新規な構成要素を評価尺度項目として用いた質問紙による縦断研究を実施することで, わが国の遺族の実態に即した新規のケアプログラムを開発することである。平成23、24年度の2年間で縦断研究により, 肯定的な心理状態の促進に寄与する対処行動およびその作用機序を明らかにし精神的健康促進モデルを検証し、平成25年度は縦断研究から得た精神的健康促進モデルに基づいて, 有効な対処行動を学習するための新規の遺族ケアプログラムを開発する。 なお本研究は, 国立がん研究センター東病院緩和医療科を受診したがん患者の配偶者を研究対象とすることから, 国立がん研究センター東病院臨床開発センター精神腫瘍学研究部(千葉県柏市, 研究分担者が所属)を実施施設とし, 帝京平成大学(東京都, 研究代表者が所属)を解析施設とした。 平成24年度は, 研究者代表者らが既に実施した面接調査で得た遺族の心理状態と対処行動に関する新規な構成要素を評価尺度項目として用いた質問紙に関する論文が受理された。それを受けて評価尺度を用いて遺族の対処行動パターンと心理状態および精神的健康に関してデータを再解析し、論文を投稿した。また、縦断研究の計画書を研究者代表者が所属する帝京平成大学の倫理審査委員会に提出した。
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