研究課題/領域番号 |
23530918
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
浅井 真理子 帝京平成大学, 臨床心理学研究科, 准教授 (50581790)
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研究分担者 |
内富 庸介 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (60243565)
小川 朝生 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター医薬品開発グループ精神腫瘍学開発分野, 分野長 (10466196)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | がん / 配偶者 / 対処行動 / 精神的健康 / サイコオンコロジー / 介護者 / 終末期ケア |
研究実績の概要 |
本研究は進行の遅れにより1年間期間延長し平成26年度まで実施した。遅れの理由としては、調査で使用する尺度開発に関する論文受理の遅れ、他の類似研究との調整による調査内容の変更(対象をがん患者と死別した配偶者だけでなく介護者に拡大し、進行・再発期における医師、患者、介護者間での終末期ケアに関するディスカッションの実態を含めた面接調査を追加した)、倫理審査などに時間を要した。 平成26年度は国立がん研究センター東病院緩和医療科にて進行・再発期のがん患者とその介護者を対象として死別後までの縦断研究を開始した。6月末からの15日間での緩和医療科の初診患者33名のうち適格者(20歳以上の進行・再発がん患者であり介護者が当日同伴)は18名(適格率55%)、参加者は7名(参加率39%)であった。そこで適格率と参加率の改善を目的に、適格者の基準および研究者の役割分担を明確化した変更内容で再度承認を得た上で平成27年1月に再開した。その結果、58日間での初診患者98名のうち適格者は68名(適格率69%)、参加者は24名(参加率35%)であった。 最終年度の成果として、本邦初の終末期ケアに関するディスカッションの実態調査であり貴重なデータを得た。今後は実施可能性を含めた予備的検討として論文発表する。また現在介護者を追跡調査中であり、計画時の研究目的であった配偶者を亡くした遺族の肯定的な心理状態の促進に寄与する対処行動を予備的に検討し論文発表する予定である。 また全研究期間の成果として、遺族821名を対象とした横断研究を二次解析した結果、遺族の3つの対処行動パターンのうち精神的健康障害のリスクが高いのは“絆の保持焦点型”のみであり、“気そらし”と“社会共有/再構築”を促すことによって適応的な“全般対処型”への変容を促すという介入仮説を論文発表した(浅井・松井・内富、心理学研究、2013)。
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