本研究では「グループ・スーパービジョンにおける学び体験尺度」を作成し英訳を行った。107名の回答を得て4つの下位因子;発見的学び体験、共感的学び体験、学びの困惑体験、方向付けの期待体験が見出された。2013年度のアメリカ心理学会で本尺度を用いた日本における初心者と熟練者の比較を発表し、異文化の研究者と討論を行ったところ、スーパービジョンにおける発見的学びを阻害する要因として、学びのスタイルやその期待に関する文化差要因を考慮する必要性が浮かび上がった。本研究により臨床における学びの現象がさまざまな文化的要因の影響を受けることが明らかになり、そのプロセスについてさらに詳細で綿密な調査が期待される。
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