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2013 年度 実績報告書

いじめ加害者の自己形成に関する臨床心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530926
研究機関山梨英和大学

研究代表者

田中 健夫  山梨英和大学, 人間文化学部, 教授 (20294986)

キーワードいじめ / 加害者 / 同一化 / 児童自立支援施設
研究概要

1.最終年度は,児童自立支援施設(地域・設置主体・運営形態の異なる3園)の職員12名に対する半構造化面接調査を通して,専門員が収容児童の加害性と被害性をいかに認識し,対応しているかについて質的分析を行った。専門員の認識・対応・その結果に分けて二次資料を作成し,コード化とカテゴリーの生成・分類/再編を研究協力者とともに実施した。
その結果,加害行為の背景には被害体験があることや被害体験が自ら語られることの意義についての認識がある一方で,加害-被害要因の影響のみられる収容児童は少ないとする認識も示された。被害性については,被害体験が語られる契機についての認識,養育環境を非難しないことの重要性についての認識,被害体験の表出とその取り扱いには留意すべきとする対応などが抽出され,それらは専門員のあいだに共有されていた。加害性についての認識には隔たりが大きく,本人の感じ方を把握することが加害的な部分のケアの出発点となる,日常生活場面での問題行動を糸口にした関与,収容児童との関係による加害性のエスカレーション,作業やルールの有効性などについての認識と,各専門員による対応との関連について整理・検討を加えた。今後の課題として,施設退園後の経緯を含めての検討,設置形態との関連および女子児童固有の問題を明らかにすることが残された。
2.加害と被害体験の重複/反復について,フェレンツィ,S.による「自己変容的な」同一化,およびトラウマ的同一化という概念の整理をふまえて,いじめ事例検討を通してその機序を考察した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2104 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 加害-被害体験の重複の機序について2104

    • 著者名/発表者名
      田中健夫
    • 雑誌名

      東京女子大学心理臨床センター紀要

      巻: 4,5合併号 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] いじめ・学校問題2014

    • 著者名/発表者名
      田中健夫
    • 雑誌名

      臨床心理学

      巻: 増刊号第6号 ページ: 印刷中

  • [学会発表] 児童自立支援収容児童の加害性への対応2014

    • 著者名/発表者名
      田中健夫
    • 学会等名
      日本教育心理学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      20141107-20141109

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公開日: 2015-05-28  

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