研究課題/領域番号 |
23530930
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
谷 晋二 立命館大学, 文学部, 教授 (20368426)
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研究分担者 |
北村 琴美 大阪人間科学大学, 人間科学部, 准教授 (80411718)
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キーワード | 国際情報交換 / アメリカ |
研究概要 |
平成24年度に、福井県、兵庫県において発達障がいのある子どもを持つ保護者を対象にメンタルヘルスをサポートするワークショップを実施した。アクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づいたテキストを作成し、それを用いて体験的なワークショップを実施した。 研究実施計画に基づき、福井県ではウェイティングリスト群を用いた研究を実施した。福井県では23名の保護者が参加した。保護者は3つのグループに分かれ、合計6回のワークショップに参加した。兵庫県ではランダマイズ・コントロール群を用いた研究を実施した。20名が参加した。2つのグループに分かれ、合計4回のワークショップに参加した。ワークショップは研究実施計画通りに実施することが出来た。研究実施計画に記載した通り、それぞれの県で実施したワークショップには発達障がいの支援に活動している地域の支援者も参加し、研究終了後の継続体制を整えることが出来た。 ワークショップの成果は、複数の心理尺度で測定された。データを統計的に処理したところ、抑うつ反応の低下、精神的健康度に大きな効果が得られることが明らかとなった。また、2つの県で参加した保護者からの満足度は非常に高いものであった。 これらの成果は、2013年7月に実施されるAssociation of Contextual Behavioral Science(ACBS)の第11回大会(オーストラリア、シドニー)で発表する予定で、発表はすでにacceptされている。 次の3点が本年度の成果である。1.本プログラムの有効性を実証的に示すことが出来た。2.継続的に利用可能なテキストを作成することが出来た。3.研究終了後のワークショップの継続が可能になるように、地域の支援者の指導をすることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2回のワークショップを研究実施計画通りに実施できた。ワークショップで使用するワークブックを作成した。研究の参加者がやや少なく、データが未返却のケースがあったが、統計的な分析をすることが出来た。分析の結果、当初の想定の通り、ワークショップの有効性を示すことが出来た。そのため、今年度の研究は順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、データを詳細に分析し、国際学会(ACBS)、国内学会(発達心理学会など)で発表を行う。国内外での発表を通して、研究者との意見交換を行い、成果と問題点を検討していく。その後、The Journal of Contextual Behavioral Science に投稿する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費は、平成24年度に実施したデータの処理のための経費(人件費)、国際学会での発表のための英文校正費用や学会参加費、参加旅費に充てる予定である。また、英文雑誌投稿のための論文校正費用に充当する予定である。
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