P300による虚偽検出における被検査者の負担を軽くするため,私たちは標的刺激を1つにした新たな多重プローブ法を提案した。本研究では,実務導入に向けた諸問題の検討を行った。それは,(1)従来法と新たな多重プローブ法の比較,(2)個々の犯罪事実と総合的判定の可能性,(3) 2つの異なる刺激呈示比率の比較,(4)文字刺激と画像刺激の同時呈示の検討,(5)加算平均の適切な呈示回数の検討,(6)実務で犯罪者が行う妨害工作の影響の検討である。これらの結果は,P300を指標とした虚偽検出の犯罪捜査への応用が,新たな多重プローブ課題で可能であることを示した。
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