研究課題/領域番号 |
23530942
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
矢野 宏光 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (90299363)
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研究分担者 |
村上 秀明 桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (30257422)
中澤 謙 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (30254105)
丸山 裕司 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 講師 (70587930)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 高齢者 / 小規模コミュニティ / 超高齢地域 / 健康行動 |
研究概要 |
本研究対象地の離島ではコミュニティ内のソーシャルサポートが強固でありながらも、在住高齢者は非常に高い抑うつ傾向を持つ。この原因の1つとしてソーシャルサポートの強さがお互いを監視し合う閉鎖系環境を生み、偏狭で不健康なビリーフを強めていることが挙げられる。健康増進を目標に誰かが始めた健康行動(例えば、ウオーキング)も「そんな暇があるなら働け」とバッシングされてしまう。この地域では労働以外の稼ぎにならないものはすべて「悪」という意識(とらわれ)が強く、これは脆弱な経済状態と関連が深いと考えられる。この結果、周囲の批判を危惧し健康行動の実践を抑制しなければならない状況が存在している。 そこで、本研究では健康行動の実践が地域の力動のよって阻害されず、ストレスを感じずスムーズに行える状況を研究者らが任意に設定し(しかけ)、それにより(1)健康行動実践者のストレス低減がどのように図られるか、(2)島内に健康行動の実践がどれだけ高まるかを検証することを目的とした。 平成23年度は(1)運動実施の恩恵についての情報配信、(2)インセンティブを付与する約100日間のウォーキングキャンペーン(以下:WC)を実施し、コミュニティに運動促進の流れをつくり出すことで参加者が以前よりも健康行動を取りやすくなったかを調査した。WC参加者中13.3%の人が過去に仕事以外の活動をして周囲から中傷された経験を持ち、それを危惧し今まで健康行動を実行するに至らなかった。だが、今回のWCに参加したすべての参加者が「参加して良かった」と回答し、96%の参加者が運動は労働とは異なったもので運動の実践による気分の改善を自覚した。だが、3名の参加者が中傷を受けたことを報告している。研究対象者の特徴としては、殊に若い世代の女性のストレスが強くうつ傾向も高い。そして、離島に生まれ他の地域で暮らした経験を持たない者の自己効力感が極めて低かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究調査は当初の研究計画どおりに順調に進んでいる。ただ、研究対象者が高齢者であるためにデータの測定や調査用紙の回収などに予定した以上の時間を要している。 しかし、研究対象者に苦痛が伴うことがあっては本末転倒であるため、これらも丁寧に安全に研究を遂行していく所存である。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の研究結果をまとめた報告会とウォーキングキャンペーンに伴うインセンティブの付与を5月中に実施することになっている。 その後、平成24年度の研究を計画どおりに進めていく準備を進めている。昨年度の研究成果と反省を踏まえ、より質の高い研究を遂行できるように努力していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の対象者は高齢者が中心でなかには後期高齢者も含まれている。そのため調査用紙の提出〆切などを忘れたりあるいはデータ測定の実施日を忘れ、通院のため島外に出てしまう等などの状況が発生した。そのため、対象者全体のデータが揃わないことの理由により、それを基にしたインセンティブの購入・付与が遅れてしまった。 だが現在、それらのデータの回収も完了し、翌年度4月にインセンティブとして使用する賞品を購入し(繰り越し分を使用)、5月を目処に報告会を開催する予定である。この事由により来年度の研究に遅れが生じることは無い。
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