本研究は、性被害者(PTSD)への適切な臨床心理査定、臨床心理面接について明らかにし、更に、二次被害を予防できるような裁判員裁判について考察した。1991年以降に来談した性被害によるPTSD121事例(本研究期間50事例を含む)を分析した結果、臨床心理査定(特にロールシャッハ・テスト)による症状改善の可能性、臨床心理面接における心理教育の重要性が認められた。 また、大学生194名を対象にした裁判員裁判に関するアンケート調査の結果や、英国(陪審制度)の裁判所、ドイツ(参審制度)の連邦裁判所、被害者支援組織、大学等との学術交流を通し、性被害者への適切な裁判支援のありようを見出すことができた。
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