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2012 年度 実施状況報告書

2色覚者における黄青色知覚メカニズム特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530956
研究機関九州大学

研究代表者

須長 正治  九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (60294998)

キーワード2色覚 / 色覚異常 / 色覚シミュレーション / 視覚探索 / 色弁別
研究概要

2色覚者の色知覚特性は、これまでは、見分けられない色に関する研究に立脚しており、残存する色知覚特性が3色覚のものと同じであるかどうかを検討した研究は少ない。そこで、本研究課題では、1型および2型2色覚者の色知覚特性である黄青色知覚に着目し、その特性が3色覚と同じ特性をもつかどうかを検討した。
2色覚者の色の見えは2色覚シミュレーションとして知られている。そのシミュレーションはいくつか提案されているが、主に、浸透しているシミュレーションは1997年にBrettelらによって提案されたシミュレーションである。Brettelらのシミュレーションでは、ユニラテラル2色覚者の色の見えが考慮され、中性色を境に主波長575nmの色相と同じ黄色、主波長475nmの色相と同じ青色の黄青のひとつの反対色で表されている。そこでは、2色覚者の黄青特性が3色覚者と同等であることが仮定されている。まずは、その2色覚者の黄青特性が3色覚者と同等であるという仮定が正しいかどうかを視覚探索課題により検討した。
実験では、多色の中から目標となる色を見つけるという課題を被験者に課し、見つけるまでの時間を測定した。2色覚者には、そのままの刺激を、3色覚者にはその刺激に2色覚シミュレーションを施した刺激を提示した。もし、シミュレーションが正しければ、目標刺激を見つけるまでの時間の差は両者間でないはずである。
実験の結果、2色覚者の黄青特性は、3色覚者とは異なり、感度が低いことが示された。この特性は、2色覚者では、黄青チャンネルへのLMチャンネルの寄与がないことによって説明できることを明らかにした。さらに、この特性を考慮した修正2色覚シミュレーションを提案した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

修正2色覚シミュレーションの提案に関しては、ヨーロッパ視覚学会などの国際学会をはじめ、いくつかの国内学会にて発表を行った。さらに、英語ジャーナルであるOptical reviewに投稿し、受理されるまでに至った。

今後の研究の推進方策

2色覚者の色の見えシミュレーションにて、LMチャンネルの寄与の有無によって、反応時間の予測ができないことを明らかにした。今後、視覚探索能力だけではなく、単純な色弁別課題にLMチャンネルの寄与の有無がどの程度影響するのかを検討するために、2色覚者と3色覚者での黄青方向の色弁別能の比較する予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、高額な備品購入の予定はなく、これまでの研究の成果を国際色彩学会で発表するための出張費、実験を遂行するための消耗品費、被験者謝金として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 視覚探索特性に基づく修正2 色覚シミュレーションモデルの提案2012

    • 著者名/発表者名
      須長正治、妹尾武治
    • 学会等名
      日本色彩学会色覚研究会
    • 発表場所
      工学院大学
    • 年月日
      20121117-20121117
  • [学会発表] Shoji Sunaga, Tomomi Ogura, Takeharu Seno2012

    • 著者名/発表者名
      Test of dichromatic simulation by visual search paradigm
    • 学会等名
      European Conference on Visual Perception 2012
    • 発表場所
      Alghelo, Italy
    • 年月日
      20120902-20120906

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公開日: 2014-07-24  

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