統合失調症の発症メカニズムに関する仮説として、two-hit仮説が知られる。この仮説では、遺伝的要因・発達初期の要因に起因する脳の脆弱性が基礎にあり、これにストレスなどの何らかの後天的要因が負荷されることによって統合失調症が発症すると仮定している。そこで本研究では、統合失調症動物モデルの一つである新生仔期NMDA拮抗薬(MK-801)反復投与ラットのストレス脆弱性を調べることを目的とした。新生仔期MK-801反復投与を行ったラットの成育後に20日間(週5日×4週間)にわたる強制水泳ストレスを与え、その後に各種行動テストを行ったが、このラットがストレス脆弱性を有するという証拠は得られなかった。
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