心理学をはじめとする行動諸科学の研究においては,多変量統計データの統計的分析が,研究を進める上で重要であり,適用領域の拡大とともに分析対象となるデータの規模も急速に大型化してきている。本研究においては,近年進展の著しいコンピュータの並列処理機能(マルチコア化)を前提に,これまで心理統計および心理測定分野で開発されてきた統計モデル(特に,大規模な非線形の潜在変数モデル)の推定法の高速化をおこなった。また,大規模なテストデータを対象としてモデルの推定を行い,特に試験問題の潜在構造と難易度比較についての分析例をした。非線形因子分析モデルの推定においては,6コアPC上で,3倍超の高速化を実現した。
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