研究課題/領域番号 |
23530969
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
永井 聖剛 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (00415720)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 顔情報処理 / 分類画像法 / 自閉症者 / 認知方略 |
研究概要 |
自閉症者と定型発達者では知覚・認知上処理スタイルに様々な違いが指摘されている。しかし,定型発達者(=非自閉症)の中にも自閉性傾向には大きな個人差があり,共同注意にはこの自閉性の個人差が影響することが報告されている。本研究では,自閉性が高い(自閉症者に近い)定型発達者と自閉特性が低い定型発達者で顔認知情報処理の差異がどのように生じるかを調べることを目的とする。近年開発された,分類画像法を用いて顔情報処理ストラテジーの個人差を詳細に視覚化し,反応一貫性分析により反応決定プロセスの影響も検討する。 大きな画像データを用いて,分類画像における統計的有意ピクセルの計算,処理効率および内部ノイズの計算およびシミュレーションを行うための実験システムを開発した。具体的には,申請者がこれまでに開発した試行削減アルゴリズムを利用して分類画像を算出し,統計的に有意に利用されているピクセルから,被験者が用いるストラテジーを可視化するための,実験実施システム,データ解析システムを開発した。処理効率は,理想的な顔弁別フィルタ(=弁別すべき顔Aと顔Bとの差分画像.この差分画像をフィルタとして顔弁別を行ったときに,弁別成績が最大化する)と得られた分類画像との類似性を算出可能である。この処理効率を計算する解析プログラム,システムをも加えて開発し,予備的な実験を行い,その結果によって,開発したシステムの妥当性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に計画していた,実験計画は概ね達成されている。ただし,震災のため,当初予定していた本実験の進行がやや遅れている。原因としては,実験補助者が震災後にしばらく勤務が不定期であったためである。この点については24年度に実験スケジュールを加速することで対応する。
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今後の研究の推進方策 |
24年度には,23年度の計画でやや遅れている,本実験実施にウェイトをおいた研究を展開する。それによって,顔認知方略,処理効率性を複数の被験者を対象にし,その個人差を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験実施ならびにそのデータ解析にウェイトをおいた研究費使用を行う。具体的には,被験者謝金,実験補助,データ解析補助等の経費を多くする。また,24年度半ばまでに得られた研究成果の発表も積極的に行う。
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