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2012 年度 実施状況報告書

自閉特性が顔認知に与える影響―分類画像法および反応一貫性分析による検討―

研究課題

研究課題/領域番号 23530969
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

永井 聖剛  独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (00415720)

キーワード顔情報処理 / 分類画像法 / 自閉症者 / 認知方略
研究概要

自閉症者と定型発達者では知覚・認知上処理スタイルに様々な違いが指摘されている。しかし,定型発達者(=非自閉症)の中にも自閉性傾向には大きな個人差があり,共同注意にはこの自閉性の個人差が影響することが報告されている。本研究では,自閉性が高い(自閉症者に近い)定型発達者と自閉特性が低い定型発達者で顔認知情報処理の差異がどのように生じるかを調べることを目的とする。近年開発された,分類画像法を用いて顔情報処理ストラテジーの個人差を詳細に視覚化し,反応一貫性分析により反応決定プロセスの影響も検討する。
大きな画像データを用いて,分類画像における統計的有意ピクセルの計算,処理効率および内部ノイズの計算およびシミュレーションを行うための実験システムを開発し,予備的な実験を行い実験システムの妥当性を確認した。また,処理効率を計算する解析システムについても,予備的な実験にて妥当性を示した。それらの結果を得て,自閉症者の顔認知ストラテジーの特徴を可視化する実験を行った。その結果,自閉症者の中にはこれまでの研究からは予想もされなかった,額を用いるという特殊なストラテジーを採用していることを明らかにした。また同時に,自閉症者の中には,定型発達と同様なストラテジーを採用していることも明らかにした。これらの結果は従来の心理物理法では明らかにできなかった実験結果であり,分類画像法の特徴を最大限活かした成果であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

震災の影響にて平成23年度の計画は遅れていたが,平成24年度は概ね順調に進み,論文を発表するに至った。ただし,平成23年度の遅れをキャッチアップはできていないので,平成25年度では実験スケジュールを加速することで対応する予定である。

今後の研究の推進方策

平成23年度の実施計画が遅れている分,当初予定よりも平成24年度の実施予定がやや遅れている。よって,本実験実施にウェイトをおいた研究を展開する。平成24年度に得た自閉症者の顔認知方略の特殊性の再現,ならびに,処理効率性においてもその特徴が得られるかを,実験計画を加速して対応する。

次年度の研究費の使用計画

実験実施を加速するために,実験実施ならびにそのデータ解析にウェイトをおいた研究費使用を行う。具体的には,被験者謝金,実験補助,データ解析補助等の経費を多くする。また,平成25年度半ばまでに得られた研究成果の発表も積極的に行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Comparing face processing strategies between typically-developed observers and observers with autism using sub-sampled-pixels presentation in response classification technique2013

    • 著者名/発表者名
      Nagai, Masayoshi; Bennett, Patrick J.; Rutherford, M. D.; Gaspar, Carl M.; Kumada, Takatsune; Sekuler, Allison B.
    • 雑誌名

      VISION RESEARCH

      巻: 79 ページ: 27 - 35

    • DOI

      10.1016/j.visres.2013.01.001.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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