研究課題/領域番号 |
23530976
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
福島 裕敏 弘前大学, 教育学部, 准教授 (40400121)
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研究分担者 |
豊嶋 秋彦 弘前大学, 教育学部, 教授 (60113817)
長崎 秀昭 弘前大学, 教育学部, 教授 (80374809)
平岡 恭一 弘前大学, 教育学部, 教授 (40106836)
吉中 淳 弘前大学, 教育学部, 准教授 (10341629)
吉崎 聡子 弘前大学, 教育学部, 助手 (00361006)
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キーワード | 教員養成 / 効果検証 / 教職意識 / 自我同一性 |
研究概要 |
弘前大学教育学部において2011年度から実施されている新教員養成システムを中心とした効果検証を、以下の三つの作業を通じておこなった。 1 2011年度以降入学者の教職意識等の変容を追跡調査するため、アンケートを1年次では「教職入門」の前後、3年次では「集中実習」前と「事後指導」後に実施した。 2 ①それ以前の入学者との比較を通じてその効果検証をおこなうため、2014年3月卒業生に対するアンケートを実施するとともに、②2013年3月卒業生までのアンケートを分析した。 3 教員養成システムの卒業後の効果を把握するための基礎データとして、2014年3月卒業生のうち、青森県の教員となることが決まっている学生に対してインタビュー調査をおこなった。 2②については、日本教育大学協会研究集会で発表し、学部紀要に投稿した。そこでは、卒業時アンケート結果の3世代(2004年度のカリキュラム改革前の第I世代、2004~2006年度入学の第II世代、2007~2009年度入学の第III世代)比較をおこない、以下の結論を得た。イ)カリキュラム改革直後の第II世代で高まった変数の多くが、第III世代では第I世代の水準に戻る回帰傾向がみられる中で、自我同一性は明確に達成化し、教員としての使命感なども高まっていること。ロ)カリキュラム理念、教員としての資質能力向上感、教職観の三つの変数群と同一性地位との関連が、第I世代では全く関連がなかったが第II・III世代では強まっており、カリキュラム改革が職業的同一性の高まりを介して自我同一性の達成化を促していることなどを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画で掲げた3つの作業を、上記のとおり順調に進めているため。ただし、3の卒業生インタビューについては、その方法論的見直しをおこなったため、体系立ったインタビュー調査は卒業直前の4年次学生を対象とした者にとどまった。ただし、卒業生に対象としたインタビューも一部実施している。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画にもとづく上記3つの作業を進めていくこととする。ただし、今年度は、対象とする弘前大学教育学部の状況変化を踏まえて、次の2点を念頭において研究を進めていくこととする。 ①学部改革、それに伴う入試・カリキュラム改革を視野にいれて、2011年度以降入学者のデータを2004年度以降入学者と比較するための準備をおこなうこと。ただし、その比較作業は、2011年度改革の第1期生の卒業は2015年3月のため、次年度となる。 ②教職大学院設置を視野に入れて卒業生に対するインタビューをおこなうこと。
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次年度の研究費の使用計画 |
日本教育大学協会研究集会への参加のための旅費が、他の財源から支出できたこと、また予定された1名が取りやめになったこと。また調査方法の再検討により、卒業生へのインタビュー調査が一部にとどまり、そのための旅費・謝金が発生されなかったことが、大きな理由である。 研究成果の公表及び情報収集のため、日本教育大学協会研究集会に加えて他の学会にも参加するとともに、卒業生及び卒業時の学生へのインタビュー調査の規模を少し広げることを検討している。新たに調査方法として用いるためのPAC分析に必要なソフトウェアの充実も行う予定である。
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