研究課題
2015年度も継続して、弘前大学教育学部生に対するアンケート調査と卒業時におけるインタビュー調査を実施した。加えて、初任1年目を迎えた卒業生に対するインタビュー調査も実施した。成果報告については、これまでとは異なる入試制度により入学した2011年度入学生が2015年3月に卒業したため、それ以前の入学生との教職意識等の違いを中心におこなった。結果、①入試制度とそれに伴う教員養成カリキュラム改革の効果は限定的であること、②カリキュラム満足度が上昇しているが、目指す教員像の獲得が困難になっていること、③小学校教員志望者は自律的発展をめぐる困難など成長しづらいカリキュラムになっていること、④中学校教員志望者では教職からの離反と教科学習への安住をもたらしていることなどの知見を得た。これらの知見は、今後複数のコーホートにもとづく分析の中で検証していく必要がある。また、青森県公立学校教諭に正規採用された学生に対するインタビュー調査についても成果をまとめ、①教職への社会化の3型(既存の職業要件の獲得を意図した「既存要件獲得に焦点化された予期的社会化」型、②省察的実践と内的プロセスを重視する「内的構築を通した社会化」型、③中間型である「内的構築と外的要件獲得の併存」型)、④さらに、内的構築の焦点に自己-実践自体の極、中間型の併存に分離-融合の極があることを見出して、 類型精緻化の手掛かりをえた。
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教員養成学研究
巻: 特別号 ページ: 1-14