本研究は、人の思考力形成が抽象語の獲得と使用により支えられるという観点から、学校教育などで用いられる抽象語の実態を探索することと、それらへの理解の特徴を検討することなどを目的とした。教育場面における抽象語の出現実態を検討した結果、小学校教科書においても該当語が多数見られた。また小学生に語の意味理解と読みを尋ねた調査の結果を分析し、語を読めることが先行条件になっている可能性が示唆された。 今後の研究課題として、抽象語を認知発達に対応づける系統的なマップの必要や、不十分な語理解での使用による負の効果のみならず積極的効果の検討、音声による抽象語の収集が、求められる。
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