研究課題/領域番号 |
23530989
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今井 康雄 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50168499)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流(ドイツ) / 映画教育 / ワイマール共和国 / ナチズム / メディア |
研究概要 |
1. 本研究の実施において必要となる長期的な海外調査を可能にするために、Alexander von Humboldt財団に研究滞在の申請を行って受理され、2012年10月から3か月間のベリリン自由大学での研究滞在が認められた。2013年1月からは、引き続きさらに3か月間、ベルリン自由大学研究員のポストが認められており、計6か月にわたって、ワイマール期・ナチズム期の映画教育を中心にして現地調査を行い、ベルリン自由大学のChristoph Wulf教授との共同研究を推進する体制を整えることができた。2. 2011年9月20日~28日にベルリンの映画資料館で試験的な資料調査を行い、映画資料の所蔵状況を確認した。また、今後の研究の進め方についてWulf教授と研究協議を行った。同資料館のデータベースでは「文化映画」のカテゴリーで多数の教育映画が所蔵されており成果が期待できる。問題は、未修復の映画資料が多く、「閲覧不可」とされている映画が多いことであるが、かなりの映画が複数所蔵されており、そうしたものについては研究目的での特別の閲覧許可を申請することができるのではないか、との感触をWulf教授との研究協議において得ている。3. 映像資料と並ぶ本研究の主要な研究対象である雑誌Der Bildwartのマイクロフィルム版を印刷製本し、解読作業に着手した。また、それと並行して、ワイマール期・ナチズム期のメディア史に関する先行研究の調査を進めた。4. 教育哲学会第54回大会の課題研究(理事会企画シンポジウム)「教育はどのように問われるべきか」(2011年10月16日、於:上越教育大学)において「教育はどのように問われるべきか――教育と福祉の関係を手がかりにして」と題して報告し、研究成果の一部を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度である今年度は、Bildwart誌の調査を開始するとともに先行研究を検討し、またドイツの映画資料館での所蔵状況の調査を行う計画であった。これらの研究計画はほぼ実施することができた。これに加えて、今年度中にHumboldt財団からの資金援助(9150ユーロ)を獲得し、ドイツ現地での長期にわたる資料調査とWulf教授を中心とした海外研究者との共同研究の機会を確保することができた。
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今後の研究の推進方策 |
上述のとおり、今年度は後半6か月をドイツでの現地調査に充てる予定である。日本国内では困難な映画資料の本格的な調査が可能になるものと思われる。あわせて、この滞在期間中にドイツ人研究者との共同研究を推進する予定である。 当初計画では2年度目に資料調査のために比較的長期(3週間程度)の海外出張を予定していたが、Humboldt財団等の援助を得て6か月の長期資料調査が可能となった。予定されていた海外出張費は、この長期研究滞在のための渡航費として使用したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度予定されている6か月の海外滞在中における研究費使用が困難である場合には、基金化のメリットを生かして次年度における有効な使用を考慮したい。
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