研究課題/領域番号 |
23530990
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
吉永 契一郎 東京農工大学, 学内共同利用施設等大学教育センター, 准教授 (70313492)
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研究分担者 |
堀井 祐介 金沢大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30304041)
中島 英博 名城大学, その他の研究科, 准教授 (20345862)
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キーワード | 高等教育 / 大学教育 / ヨーロッパ / ボローニャ・プロセス |
研究概要 |
2012年6月2日、東京大学で開催された日本高等教育学会において、「ヨーロッパにおける大学教育の統合と大衆化」と題する自由研究発表を吉永と中島で行い、高い評価を得た。また、大会期間中、研究方針について議論を行い、今後は、物理学・歴史学・経営学という分野を固定したまま、ドイツの大学に焦点を当てることとした。9月に、吉永は6大学(アーヘン・ケルン・ハンブルグ・シュトゥッツガルト・フランクフルト・ミュンヘン)、中島は5大学(デュイスブルグ・ミュンヘン・WHU・ライプチヒ・FOM)、2月に、堀井は3大学(ゲッティンゲン・カッセル・フンボルト)への訪問調査を実施し、学科長・学務担当教員から、ボローニャ以降のカリキュラムについて情報を得た。また、9月7日、堀井は、本研究に関連して、来日中であったヨーロッパ物理教育学会会長Hendrik Feridinande博士の講演会「ヨーロッパでの高等教育改革の動き」を金沢大学で開催し、盛況であった。 さらに、初年度の研究成果について、広島大学高等教育研究開発センターへ申請をしていた高等教育研究叢書の刊行が認められたため、報告書の作成に取り掛かった。10月8日に東京において、それぞれの初稿を持ち寄り、編集会議を行った。その後、校正作業を経て、11月末に最終稿を提出した。この叢書は、2013年3月31日に刊行され、全国の高等教育研究者に送付されるとともに、オンラインでも公開されているため、今後の評価を待ちたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
物理学・歴史学・経営学に対して、オランダ・ベルギー・ドイツ・デンマークを中心にボローニャ・プロセスの実施状況、ボローニャ以降のカリキュラムについて、調査・分析を行うことができた。その結果、制度の導入は完了したが、単位互換制度や学生の流動性などボローニャ・プロセスが意図した結果は達成できていないこと、そして、ボローニャ以降の大学改革は、ボローニャ・プロセスと財政削減、学生の大衆化へ対応が複雑に絡み合ったものであることが判明した。これまでの研究で、ヨーロッパの学部教育の変容について、計画以上の調査ができ、結論の枠組みが完成しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2013年5月に、広島大学で開催される日本高等教育学会において、「ボローニャ・プロセスが明らかにするドイツの大学教育の特性と課題」と題する自由研究発表を三人で行 い、昨年度の研究成果に対して評価を受ける。 また、最終年度の訪問調査は、ドイツの教授法センターを分担訪問し、ボローニャ以降の教育改善について、分野を超えたよりマクロな視点から情報を得て、その結果を分析する。そして、研究叢書以降の研究成果を最終報告書にまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究メンバー3名が、それぞれ夏季に1週間以内の計画で、ドイツ各地の教授法センターを訪問し、ドイツの大学における教育改善の背景・課題について、これまでの各分野の教員とは異なった視点から、調査・分析を行う。また、秋に、研究叢書作成以降に行ったドイツ調査を中心に、100頁程度の最終報告書を作成し、高等教育研究者に送付する。
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