環境思想及び環境教育思想史研究として、先行研究の把握を行いながら、アルネ・ネス、アラン・ドレングソンらの『ディープ・エコロジー』、トランスパーソナル・エコロジーの文献、フィリップ・シャベコフの『環境主義』、ガタリの『三つのエコロジー』、政治的エコロジー関係文献、ベックらのリスク社会論などを検討した。 その結果、科学史的研究法に基づいて、持続可能性に関する研究がどのように発祥し、現在まで行われてきたのかについて例証できた。 さらに、環境教育思想に関しては、教育哲学を背景にするイギリスのマイケル・ボネットの“Retrieving Nature”と、アメリカの批判的環境教育学研究者であるチェスター・バワーズの一連の著作を検討し、現実的な環境教育のプログラムを考察できた。この研究成果は、すぐには論文とはならなかったが、今後、単著にまとめて出版する予定である。 なお、特に26年度は「持続可能な開発のための教育」と密接なかかわりを持つと思われる森のようちえん活動についても調査できた。市民活動の延長にある「森のようちえん」活動に焦点をあて、その思想的背景と実践についても研究ができた。こちらについては、4編の論文にまとめることができた。環境教育実践の裏付けの思想についても言及ができた。
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