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2013 年度 実績報告書

教育「支援」とその「排除性」に関する比較史研究

研究課題

研究課題/領域番号 23531000
研究機関広島大学

研究代表者

三時 眞貴子  広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90335711)

研究分担者 河合 隆平  金沢大学, 学校教育系, 准教授 (40422654)
江口 布由子  高知工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (20531619)
土井 貴子  比治山大学短期大学部, 幼児教育科, 講師 (00413568)
北村 陽子  愛知工業大学, 工学部, 准教授 (10533151)
森 直人  筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (10434515)
姉川 雄大  千葉大学, アカデミック・リンク・センター, 特任助教 (00554304)
キーワード教育史 / 西洋史 / 比較史 / 教育支援
研究概要

本年度は二回の研究会を行った。具体的には最終年度の総括のための合宿を行い、そして3月に比較教育社会史研究会にて本科研の最終報告を行った。本科研は「児童保護と教育「支援」」、「特別なニーズに対する就学「支援」」、「職業教育「支援」」の三グループに分かれ、研究代表者、分担者6名、協力者4名の11名で研究を行ってきた。その成果は最終報告書にまとめ、広島大学のレポジトリに掲載した。
本共同科研では、「国家による「支援」体制の比較」、「科学的な知識・学問領域およびテクノロジーが「支援」に及ぼした影響」、「戦争が「支援」自体や被支援者に対するまなざしに与えた影響」、「被支援者の家族への注目」を共通課題として設定し検討した。
常に問題となったのは、個々の「支援」が実際に何を「支援」しえたのか/しようとしたのかという問いであった。最終的に各グループがそれぞれの強調点(家族・就学・就労)に照らしながら、この問いに基づく新しい枠組みを提示した。「児童保護」グループでは、子どもの「養育」主体をめぐって議論された。個別研究で示されたのは、親あるいは子どもの「生き残り」戦略と、それを国家や社会、組織がどのような形で「許すか」という、まさに「命」に関わる問題であった。その意味で生存「支援」という枠組みが出された。「就学支援」グループでは、学校へのアクセスの問題は、教育/学習機会が奪われるというだけではなく、彼らの生き方の可能性を左右するものであった点に着目して、生活「支援」という枠組みが設定された。「職業教育」グループでは、労働者像だけではなく扶養者や良妻賢母など、社会が求めるそれぞれの役割像へとつながるものとして、「労働」に関わってどう生きていくのかを問う生計「支援」という枠組みを示した。
これらの枠組みが議論の結果出されたことは一つの成果であるが、しかし本当に妥当な枠組みなのかは今後の課題である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 図書 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 現代ドイツ・スイス・ネーデルラント2013

    • 著者名/発表者名
      北村陽子
    • 雑誌名

      史学雑誌

      巻: 122-5 ページ: 368-375

  • [雑誌論文] 「教育と福祉」若手部会/「イスラームと教育」部会報告2013

    • 著者名/発表者名
      岩下誠
    • 雑誌名

      比較教育社会史研究会『通信II』

      巻: 1 ページ: 1-4

  • [学会発表] 不就学児童実態調査にあらわれた障害児の教育要求2013

    • 著者名/発表者名
      河合隆平
    • 学会等名
      第19回日本特別ニーズ教育学会札幌大会
    • 発表場所
      北海道教育大学札幌校
    • 年月日
      2013-10-19
  • [学会発表] 教育支援/排除という視点は教育社会史研究においてどのような意義をもつか―理論的整理と課題

    • 著者名/発表者名
      岩下誠
    • 学会等名
      2013年度比較教育社会史研究会春季大会
    • 発表場所
      西宮市大学交流センター
  • [学会発表] 教育ヴォランタリズムはなぜ国家教育を代替できたのか?―国民協会の設立過程の検討から

    • 著者名/発表者名
      岩下誠
    • 学会等名
      2013年度比較教育社会史研究会春季大会
    • 発表場所
      西宮市大学交流センター
  • [学会発表] 銃後と女性(シンポジウム 第一次世界大戦研究の到達点と展望―日本におけるドイツ近現代史研究者の視点から 第3報告)

    • 著者名/発表者名
      北村陽子
    • 学会等名
      ドイツ現代史学会第37回大会
    • 発表場所
      駒澤大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 戦争犠牲者の支援と女性の役割(シンポジウム 第一次世界大戦と女性―生と死をめぐって― 第3報告)

    • 著者名/発表者名
      北村陽子
    • 学会等名
      イギリス女性史研究会第22回研究会
    • 発表場所
      甲南大学
    • 招待講演
  • [学会発表] フランクフルトから見たヒロシマ(シンポジウム 核の時代におけるヒロシマの記憶 第2報告)

    • 著者名/発表者名
      北村陽子
    • 学会等名
      第24回西日本ドイツ現代史学会
    • 発表場所
      広島市立大学
  • [図書] 教育の歴史・思念・思想2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木理恵、三時眞貴子、中村勝美、本多みどり、土井貴子、杉原薫、岩下誠、香川せつ子、安原義仁、小宮山道夫、平田諭治、山下達也、石田雅春
    • 総ページ数
      335(中15-31、三35-59、76-83、143-161、土91-96、岩11-139)
    • 出版者
      協同出版
  • [図書] 生きることが光になる2014

    • 著者名/発表者名
      壽田由紀子、山崎将文、垂髪あかり、黒川真友、川本幸一、池田和彦、遠藤六郎、河合隆平、京極高宣、清水寛、滝口真、冨永雅和、中山慎吾、蜂谷俊隆、細渕富夫、牧野広義、森博俊、吉弘淳一、窪田知子、斎藤昭
    • 総ページ数
      350(河合145-158)
    • 出版者
      糸賀一雄生誕100年記念事業実行委員会(図書印刷株式会社)
  • [図書] 現代の起点 第一次世界大戦 第22014

    • 著者名/発表者名
      藤原辰史、小関隆、林忠行、大津留厚、片山杜秀、荒木映子、坂本優一郎、金澤周作、服部伸、上尾真道、津田博司、久保昭博、林田敏子、伊藤順二、北村陽子
    • 総ページ数
      272(北村262-263)
    • 出版者
      岩波書店
  • [図書] ハプスブルク史研究入門2013

    • 著者名/発表者名
      大津留厚、水野博子、河野淳、岩崎周一、姉川雄大、江口布由子、澤井一彰、服部良久、加来奈奈、立石博高、石井大輔、坂口さやか、岡田暁生、秋山晋吾、阿南大、上村敏郎、後藤秀和、大原まゆみ、野村真理、上田理恵子
    • 総ページ数
      314(姉川208-216、江口217-227)
    • 出版者
      昭和堂
  • [図書] 福祉国家と教育:比較教育社会史の新たな展開に向けて2013

    • 著者名/発表者名
      橋本伸也、広田照幸、岩下誠、森直人、沢山美果子、前田更子、秋葉淳、小玉亮子、内山由理、長嶺宏作、姉川雄大
    • 総ページ数
      331(森259-286、姉川281-300、岩下301-320)
    • 出版者
      昭和堂
  • [図書] 子どもの世紀―表現された子どもと家族像2013

    • 著者名/発表者名
      神宮輝夫、高田賢一、北本正章、井辻朱美、久守和子、岩下誠、香川せつ子、成瀬俊一、川端有子、笹田裕子、白井澄子、鈴木宏枝、横川寿美子、西村醇子、水間千恵、島式子、吉田純子
    • 総ページ数
      341(岩下103-123)
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [備考] 教育「支援」とその「排除性」に関する比較史研究 最終報告書

    • URL

      http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00035438

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公開日: 2015-05-28  

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