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2011 年度 実施状況報告書

地域主権時代の公共劇場を担う人材育成~キャリア形成実態調査を基盤として

研究課題

研究課題/領域番号 23531008
研究機関鳥取大学

研究代表者

五島 朋子  鳥取大学, 地域学部, 准教授 (80403369)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードアートマネジメント
研究概要

本研究の目的は、劇場やホールの運営を担う「アートマネジメント人材」について、まず現在これらの施設で働く人材が、どのような専門教育や現場での実践経験を経てきたかキャリア形成の実態を把握し、「公共劇場」を運営する人材育成のあり方を構想することである。 初年度は、施設規模、事業内容などから、特徴的な公立文化施設を抽出し、職員への聞き取り調査等をもとに、キャリアパスを検討した。それをもとに、全国公立文化施設職員へのアンケート調査を実施した。公立ホールに勤める職員の現在の雇用状況を把握するとともに、仕事に必要な専門性や知識をどのように捉えているのか、またこれまでどのように身につけて来たのか、など学歴・職歴を把握することを主眼としたものである。調査票は、全国公立文化施設協会で把握しているリストをもとに、自主事業を行っている施設(1,384カ所)を抽出し、職員(約12,000人)を対象に配布し、年度末に回収した。(なお、東日本大震災の影響を鑑み、東北地方の公立文化施設への調査票配布は行わなかった。)日本の公立ホールにおける職員のキャリアパスの実態について、貴重な基礎データが集積できた。 また、検討モデルのひとつとして、地方の公共劇場が充実しているドイツを対象に、特に人口規模が小さい地方都市でありながら、作品創造の機能を担っている劇場を訪問し、職員への聞き取り調査等を行った。そこから、地域社会における劇場の教育的機能という位置づけを改めて確認すると同時に、地域特性、事業ジャンル、劇場規模に応じて非常にきめ細やかな事業展開が行われていること,また、細分化された専門を担う人材が配置されており、これらの専門人材間のスムーズな恊働が劇場運営の基盤となっていることが把握できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

公立文化施設職員のキャリアパスを把握する実態調査は、本研究の重要な基礎資料となるため、回収数を少しでも増やすため、またプライバシーへの配慮を厚くするという観点からも、当初の計画を変更し、個別封筒で調査票を回収することとした。そのため、郵便事業者等との調整に時間を要することとなり、回収後の集計を年度内に行うことができなかった。集計分析に必要な人件費などの支出に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

今年度は、昨年度中に着手できなかったキャリアパス・アンケート調査の集計分析を早急に行い、公立ホール職員が、教育機関で学び習得した専門知識、実践やキャリアパスを通じて経験・獲得した技術・能力などを整理し、現状から見えるアートマネジメント人材育成の課題を明らかにする。 引き続き、国内先進事例のNPO法人等民間運営による「公共劇場」も含めて、スタッフへの聞き取りを実施し、優れたアートマネジメント人材に共通する資質や技術、基盤となる知識や経験などを検討する。実態調査から想定されるキャリアパスとの比較しつつ、地域の劇場に求められる職員の専門性を、地域特性や劇場のミッションとの関わりに着目しながら明確にして行く。 また、アートマネジメント教育について体系的なカリキュラムを有するアメリカにおいて、特に、地域住民の寄付によって支えられる「地域劇場」における専門人材の教育プログラムについて、知見を得、日本と比較可能なデータを収集し、共通点と差異を明確にする中から、日本における人材育成の課題を考察する。

次年度の研究費の使用計画

昨年度、公立文化施設職員へのキャリアパス・アンケートを実施するにあたり、重要な調査機会であることを踏まえ、施設単位ではなく個別封筒による個人からの調査票回収とすることとしたため、郵便事業者との調整に時間を要し、集計作業を次年度に持ち越すこととなった。今年度は、昨年度中に実施できなかった回収調査票の集計分析にかかかる人件費、集計結果概要をホームページ上で公開、公立文化施設へフィードバックするための作業人件費、国内「公共劇場」スタッフへの聞き取り調査旅費、アメリカの地域劇場及びアートマネジメント教育における資料収集・実地調査を中心に研究費を使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 地域劇場を運営するアートNPOのための人材育成を考える2011

    • 著者名/発表者名
      五島朋子
    • 学会等名
      日本演劇学会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2011年6月18日

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公開日: 2013-07-10  

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