• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

地域主権時代の公共劇場を担う人材育成~キャリア形成実態調査を基盤として

研究課題

研究課題/領域番号 23531008
研究機関鳥取大学

研究代表者

五島 朋子  鳥取大学, 地域学部, 准教授 (80403369)

キーワードアートマネジメント教育 / 公立文化施設 / キャリアパス / 人材育成 / 公共劇場 / 地域マネジメント
研究概要

最終年度は、前年度に実施した全国公立文化施設職員への質問紙調査分析のまとめと、非営利の地域劇場スタッフへの聞き取り調査を補足的に行い、地域劇場運営に求められる専門人材像を検討した。
質問紙調査では、公立文化施設職員約2500人の回答が得られた。集計結果は、運営主体や人口規模による雇用状況の差を明らかにした。アートマネジメントや舞台芸術に関して専門的に学んだ職員は、都市部の指定管理者運営施設に少数偏在していること、また雇用条件の厳しい指定管理者運営施設の職員の方が、職務意識や仕事満足度が、直営施設職員よりも高い傾向があることなどが明確に現れた。キャリアパスという観点からは、舞台技術職を除いて、公立文化施設職員特有の職歴は形成されておらず、最終学歴での専門分野、前職歴、職務内容も非常に多様であり、専門職を要する文化施設であるという位置づけは希薄なことが改めて明らかとなった。
一方、職員自身が考える公立文化施設スタッフの「専門性」について検討したところ、舞台芸術の創造、提供を志向する「劇場マネジメント」と、設置自治体の持つ地域資源や課題に目を向ける「地域マネジメント」志向という2つの方向性があること、また、これらは施設の規模や立地、職員の業務、事業形態などと相関があることが分かった。
それぞれの公立文化施設のミッションに応じて、「劇場マネジメント」志向の人材と「地域マネジメント」志向の人材を適切に配置していくことが公共劇場には求められるだろう。これまでのアートマネジメント教育は、「舞台芸術」の企画制作・運営に関する専門知識や実践という面で捉えられて来たが、地域における公共劇場としての機能を充実させていくためには、地域特性や地域課題に立脚する事業・組織の運営に関する専門性を、アートマネジメント教育に取り入れていく必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 地域主権時代の公共劇場を担う専門人材に関する考察 ~全国公立文化施設職員の職歴調査をもとに~2014

    • 著者名/発表者名
      五島朋子
    • 雑誌名

      文化経済学

      巻: 第10巻第2号 ページ: 48ー59

    • 査読あり
  • [学会発表] A Study On The Staff Member of Public Theatres – Analysis Based upon Nation Wide Survey of Public Halls In Japan

    • 著者名/発表者名
      Tomoko GOTO
    • 学会等名
      AIMAC 2013 International Conference On Arts And Cultural Management
    • 発表場所
      ロス・アンデス大学、ボゴタ、コロンビア

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi