本研究は、近現代史における欧米各国の福祉国家の登場期に見られた児童福祉政策を支えた子ども観の社会的な展開を解明することを通じて、現下の福祉国家における子ども政策の歴史展望を拓き、その教育思想史的価値観を解明するとを目的として進めた。 その成果として、欧米の福祉国家の成立に及ぼした子ども観として、原罪論的子ども観、合理主義的子ども観、感覚論的子ども観、ロマン主義的子ども観が重層的な社会史を形成し、近現代では、科学的な発達論的子ども観と社会構成主義的な子ども観が福祉国家の子ども政策に大きく影響したことを解明し、論文「教育と福祉の社会史における子ども観の変遷」にまとめた。
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