第一点として、少年雑誌は、児童雑誌の誕生のなかで登場し、「児童」とは異なり、「少年」という枠組みを形成した。このときの「少年」はおよそ、小学校低学年から高等学校生ごろまでをさすものであることもわかってきた。第二点目は、少年雑誌における誌面上の想像上の「読者共同体」が存在していた。彼らは学校教育を受け、読み書きを基礎に学習経験を積むことになり、家計事情が良好で、成績優秀であれば、中学校、高等学校への進学の道が広がった。第三点は、読者共同体の特徴の変化があらわれた。戦前期までの少年雑誌に見られるような、思想に裏打ちされたものではなく、誰もが、使用できる略語で表現する等、読者等をまとめようとした。
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