本研究では、第一に戦前期私立大学による留学生派遣の歴史について、慶應義塾を中心に史料収集と整理分析を行った。戦前期においては早稲田と慶應が明治時代後半に留学制度の運用を開始し、教員の研究発展と教育内容の充実を図っていた。その派遣実態は既に実施されていた文部省留学生派遣制度に準じる形になっており、留学制度が教員養成と考えられていたことが分かった。 成果の第二点として、アメリカ、ドイツ、フランスの大学や資料館において日本人留学生関係史料の発掘調査を行った。20世紀初頭の在米日本人学生会の活動や連携について明らかにできた。1930年代の日独協会設立過程などについても、調査を行うことができた。
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