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2012 年度 実施状況報告書

包摂的な教育制度・行政システム構築に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23531036
研究機関北海道大学

研究代表者

横井 敏郎  北海道大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40250401)

キーワード教育行政 / 公教育制度 / 不登校 / 高校中退
研究概要

本研究は、不登校や高校中退など、社会・家庭の不安定化を背景として浮上してきている就学の困難について、当事者や支援団体・機関、自治体行政各部門、学校への聞き取りと資料収集調査を通して、その排除のプロセスと構造、子ども・若者の居場所と学びの場の実態、行政の体制と支援の現状を明らかにし、包摂的な教育制度・行政システム構築のための課題と方策を検討するものである。平成23年度は、自治体不登校・若者支援行政およびフリースクール等に支援団体の現状と課題に関する事例調査を実施した。平成24年度は、高校中退経験者インタビュー調査に集中して研究を進めた。過去に30ケースのインタビューを実施し、分析作業を進めて、学会報告も行った。しかし、ブルデューの社会空間論を枠組みとして分析作業を進める中で、ケースは5つに類型化されたが、各類型のケース数がかなり少なくなること、また紹介によってのケースを集めたため困難なケースがやや少ないと思われることから、ケース数を積みます必要が生じた。そこで困難なケースを中心にインタビューを35ケース実施し、前記と合わせた約60ケースについて、学会で中間まとめを発表した。高校中退経験者を貧困層と捉える研究があるが、本研究では相対的に低所得層が多いものの特定の階層に限定されないこと、その後の軌跡は階層によって規定されるだけでなくどのような人や資源に出会うかで大きく異なってくることが確認された。なお現時点でインタビューの記録整理はほとんど終了している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、1)自治体不登校・若者支援行政と学校・フリースクール等民間支援団体の調査、2)高校中退経験者へのインタビューによるケース分析を中心的な課題としている。平成23年度は1)の自治体支援行政とフリースクールの調査に取り組み、平成24年度は2)を集中的に実施して調査自体は終了させることができた。

今後の研究の推進方策

今後も、本研究課題を申請した当初の計画をもとに進めていく。この2年間の研究作業を踏まえ、平成25年度は、上記(11.現在までの達成度)の2)の分析とまとめの執筆、1)の自治体・フリースクールの追加調査と高校調査を実施する。また、①行政機構論・multi-agency論、②若者移行過程論。③海外の高校ドロップアウト、truancy論。④教育からの排除と包摂、social pedagogy論などの理論・先行研究の検討を行い、報告書の執筆を進めていく。

次年度の研究費の使用計画

前年度研究費は26,000円ほど残したが、インタビュー調査記録整理を一部次年度に回したことが理由。金額はわずかである。H25年度の研究費使用計画は当初予定と変更無し。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 都市部における不登校者支援の現在――札幌市の支援行政とフリースクールへの調査から2012

    • 著者名/発表者名
      北大不登校調査チーム(横井敏郎ほか)
    • 雑誌名

      公教育システム研究

      巻: 11 ページ: 65-100

  • [学会発表] 構造改革期の知事・教育委員会関係――長野県田中県政の検討

    • 著者名/発表者名
      横井敏郎
    • 学会等名
      日本教育政策学会第19回大会(自由研究発表)
    • 発表場所
      東京学芸大学(小金井市)
  • [学会発表] シンポジウム/日本の臨床教育学とナラティブ的探求

    • 著者名/発表者名
      D.J.クランディニン・福井英雄・横井敏郎・早川りか
    • 学会等名
      日本臨床教育学会第2回大会(大会シンポジウム)
    • 発表場所
      都留文科大学(都留市)
    • 招待講演
  • [学会発表] 移行過程から見た高校中退―聞き取り調査を通じて―

    • 著者名/発表者名
      横井敏郎・伊藤健治・横関理恵・以下2名略
    • 学会等名
      日本臨床教育学会第2回大会(自由研究発表)
    • 発表場所
      都留文科大学(都留市)

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公開日: 2014-07-24  

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