研究課題/領域番号 |
23531040
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
浅野 かおる 福島大学, 行政政策学類, 教授 (10282253)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 夜学 / 韓国 / 社会教育 |
研究概要 |
本研究は、韓国で軍事独裁政権に対して労働運動や学生運動が激しく行われた1970年~80年代において、自主的組織的に行われた「夜学」に注目し、その教育学的な意味を明らかにすることを目的とするものである。平成23年度は、当時の「生活夜学」や「労働夜学」等に関する先行研究や資料、および1970年代から80年代の学生運動、労働運動、民衆教育運動に関する基本文献の収集を行い、その検討を進めた。 検討の中で確認されたことは、第一に、当時、合格者に学歴認定をする検定考試の受験準備のための「検定考試夜学」が多数を占めていたこと、これまでの当時の夜学の評価として検定考試夜学→生活夜学→労働夜学への発展が指摘されていることに対して、そうした質的変化よりは当初の設立目的で労働夜学と定めて始める場合が多かったことが、近年の研究で指摘されていることである。第二に、当時の学生運動における運動論上の論争と夜学が強く結びついていたことである。全体の運動の中での学生運動の役割として、政治闘争の重視に反対し、現場に身を投じることを主張した学生運動集団において、夜学は重要な通路としてみなされていた。80年代には、夜学活動を通した労働者に対する意識化と勢力化に関心をもつ大学生が、夜学教師として参加することが増加した。夜学は、学生運動の重要な現場拠点としての位置を占めていたと指摘されている。第三に、本研究において、貧民夜学、貧民運動にもその視野を拡大することの必要性である。先行研究の中には、当時の都市貧民地域で夜学卒業生住民たちが自己組織化を行って地域青年組織をつくった事例の分析がなされているものもあり、労働者とは相対的に区別される都市貧民を対象とした夜学がもつ特性があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
居住地および勤務校が、2011年3月11日に発生した東日本大震災と、それによる福島原子力発電所事故の被災地であったため、当該研究に十分に従事することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、文献・資料の収集とその分析を行うが、その際に一次資料もしくはそれに近い資料を収集できるように努めたい。また、当時の夜学関係者に対してヒアリング調査を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
居住地および勤務校が、2011年3月11日に発生した東日本大震災と、それによる福島原子力発電所事故の被災地であったため、当該研究に十分に従事することができず、次年度に使用する研究費が生じた。次年度に使用することとした研究費については、2011年度に実施できなかった韓国への調査研究にあてるとともに、やや遅れている研究の効率性を高めるために調査研究時に携帯することできる最新のノートパソコンの購入にあてる予定である。次年度に請求した研究費では、当初の計画の通り、主として韓国調査研究に使用する。
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