研究課題/領域番号 |
23531044
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
貞廣 斎子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (80361400)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 学校配置 / 政策参照 / 政策立案支援 / 準拠自治体 / 教育条件整備 |
研究概要 |
研究実績は以下3点に集約される。 第一に、全国の学区の地域特性を把握し、その差異を分析に加えることを目的に、モザイク・ジャパンのデータを利用して、国土交通省が公開している全国学区データと地域特性データのマッチング作業を行い、その構造把握への準備作業を行った。今年度は、試験的に千葉県内のデータのマッチングを行ったが、今後は他地域への拡大・分析も計画している。 第二に、政策参照パターンに関わって、長野県下での自治体間政策参照の実態をロジスティック回帰分析を用いて定量的に分析し、特定地域内での政策参照が存在することを明らかにした。この知見は、自治体をこえた「地域」という区分の存在を示すものであり、政策参照パターンの把握に新機軸を提示するものである、なお、同研究成果は、既に論文として公開しており、今後、本研究課題において、地域特性と政策参照の関係構造の分析を行う基礎となる。 第三に、研究課題の更なる明確化、および分析手法等の再検討のために、ログ・データの形式・構成に関わる周辺関連分野を中心に、更なるレビューを実施した。申請者はこれまでの研究成果において、本研究の核をなす着想を得て、計画を固め、既に関連する論文をビューしているが、上記は本研究申請の核となる部分であり、実際の政策立案者の行動パターンも考慮しての慎重な選定が必要であるため、その選定にむけた基礎枠組みの設定準備作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下に挙げる2つの理由から、研究知見の精度をより向上できる可能性が発覚したため、作業を中途で完了させず、あえて継続的に行っている。 理由1:分析手法・及び枠組みの再検討は、23年度に完了する研究計画であったが、23年度の研究を進める過程で、地域特性データと学区データのマッチングに関わって、新規のデータを発掘し、分析枠組みをより洗練できる可能性が発覚した。そのため、新規データを試験的に一部入手し、23年度はそのパイロット分析を行った。24年度には、入手可能な全データを対象に本調査分析を継続的に行う。作業に必要な予算配分の変更も行っている。 理由2:政策立案過程のデータ収集の試行は、23年度に行う計画であったが、研究を進めたところ、上記のデータを用いたより分析力の高い手法開発の可能性が発覚したため、データ化は、24年度に集中的に進めることにした。
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今後の研究の推進方策 |
(1)全国の学区の地域特性を把握し、その差異を分析に加えることを目的に、モザイク・ジャパンのデータを利用して、国土交通省が公開している全国学区データと地域特性データのマッチング作業を行い、その構造把握を行う。23年度に試験的に千葉県内のデータのマッチングを行ったことを発展させて、24年度は他地域への拡大・分析を行う。(2)上記の学区地域特性と政策採択との関係性を分析し、地域特性と政策参照の関係構造の分析を行う。(3)学校適正配置計画立案支援システム(Schoopss)を通じて、自治体の政策(案)立案者(教育委員会学校適正配置担当者)が政策を探索する過程を実験的・実践的に設定し、そのログを記録してデータ化するログ収集の試行を行う。更に、そのデータを用いて、分析手法等を洗練させ、なるべく早期のうちに本データの収集にも着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
以下のデータを購入・分析し、地域特性・教育政策・政策参照の関係性、特に学校再配置政策を中心に分析を進める。・当該自治体の道路データ(6 自治体×40)、国勢調査調査データ(6 自治体×6)、JPS 学校ポイントデータ(全国パッケージのディスカウント)、地域特性データ(モザイク・ジャパン) なお、分析に先立ち、市販されていないデータをシェイプファイルデータ化し、ArcGIS上で使用・分析できるようにするため、作業謝金が必要となる。
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