本研究の目的は1960年代以降の米国連邦教育政策を対象とし、そこに示された異なる政策理念の対抗の過程をガバナンス改革との関係において明らかにすることである。分析の結果、1)リベラル派とコンサーバティブ派の対立のなかで、中道勢力によってスタンダードにもとづくガバナンス改革が進められたこと、2)1965年の初等中等教育法の改定を通じて、教育の平等保障の理念が政策の目的として引き継がれていること、3)そのため、成果に対して厳しいアカウンタビリティを求めたどの子も置き去りにしない法の制定に対しても、公民権擁護団体からの支持もあったことなどを示した。
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