研究課題/領域番号 |
23531050
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
西原 亜矢子 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 保健学研究科内講師 (70436731)
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キーワード | 省察的実践 / 組織学習 / 実践コミュニティ / ヘルスプロモーション / ジェンダー / 大学地域貢献 |
研究概要 |
【研究の目的】本研究の目的は、国立大学法人保健学研究科に地域貢献拠点として設立された「GSH(性差保健)研究実践センター」(以下、センター)が、「研究を基盤とする地域貢献事業」を展開する現行の過程を継続的に省察し、その役割と課題を導き出すことである。「中期計画」に位置づく大学の各事業展開では、短期間の可視化・数値化された評価指標に基づく運営が求められる。一方、地域のニーズをくみ取りながら組織を発展させていくプロセスや、関与する地域住民・専門職・研究者の健康・ジェンダー・支援に関わる意識の変容は長期的な展望を必要とし、定点の数値では表明しきれず、相互的・質的にとらえていく必要がある。本研究では、省察的実践論・組織学習論をふまえながら、センターの事業展開過程を省察することにより、実践的な知を生成していく。 【研究実施計画と進捗状況】平成26年度がセンター事業の最終年度であることから、総括的な省察を行うために、当該科研費の補助事業期間延長の承認を得た。1.学内教員との協働:各事業の企画・遂行について、センター協力教員と前回事業の省察を行い協働する体制ができた。事業に関係する教員へのインタビュー調査を開始した。2.学外における共同省察:福井大学・早稲田大学・お茶の水女子大学及び「社会教育実践研究フォーラム」らが開催するラウンドテーブルで毎年、報告し、参加者から示唆を受けている。3.学会発表:日本社会教育学会(2011年三鷹)、質的健康研究学会(GCQHR;2012年イタリア、2013年タイ)でセンターの事業展開について発表した。4.最終年度として、センター事業への参加者へのインタビュー調査、連携研究者との共同省察を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・国内学会発表及び研究会での報告に関しては、予定どおりに遂行している。 ・「性差保健」概念の国際的普及を目的として国際学会発表を行った。タイ・コンケン大学WHO Collaborating Center for Research and Training on Gender and Women's Healthのディレクターとコンタクトし、情報交流の足掛りをつくった。 ・学内協力教員とは、「性差保健」概念の理解を共有しながら協働する体制ができつつある。 ・学内教員(協力教員・連携研究者)は、授業・研究の他に実習・臨床、各プロジェクト等で超多忙な状況にあるため、十分な時間を確保したスケジュール調整が困難であり、共同省察の実施状況が不足している。
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今後の研究の推進方策 |
学内外でのセンター事業に関する共同省察を継続して行い、最終年度として成果報告書をまとめる。最終年度としての総括的な共同省察のスケジュール確保を早い段階で行う。「性差保健」(GSH)概念の国際的普及をめざして論文投稿を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果報告書作成費用およびテープ起こし費用が未使用であるため 学会発表、研究成果報告書作成(テープ起こし)に充当予定
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