研究課題/領域番号 |
23531053
|
研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
林 透 北陸先端科学技術大学院大学, 大学院教育イニシアティブセンター, 特任准教授 (20582951)
|
キーワード | 教育政策 / 組織開発 / FD・SD |
研究概要 |
日本の大学管理職の構成やキャリアパスに関する分析について、平成23年度の国立大学法人に続き、平成24年度には公立大学法人を新たに対象とし、基礎的研究の充実を図り、日本の大学の組織開発に必要な観点を抽出した。また、アメリカの大学システムを比較対象として取り上げ、アメリカの大学管理職・専門職の資格要件及びキャリアパス分析に取り組んだ。具体的には、以下の2項目を中心に調査研究を進めた。 ①アメリカの大学管理職・専門職のジョブディスクリプション調査・・・就職情報サイトのウェブ調査に基づき集計し、当該職種に必要な資格要件を整理した。当該集計に基づき、大学の規模や職階に応じた比較分析にも取り組んだ。 ②アメリカの大学専門職のキャリアパス分析調査・・・複数の大学専門職を特定し、該当者へのインタビュー調査等を通して、当該職種におけるリクルート、キャリアパスの特徴等の把握を行った。 これらの研究成果を通して、平成24年度には国内発表2件、海外発表1件、招待講演1件を行うことができた。さらに、平成25年5月下旬開催の日本高等教育学会において口頭発表を行うほか、同年11月上旬開催のアメリカ国際学会(Professional and Organizational Development Network in Higher Education, Annual Conference 2013)での発表が採択されている。また、平成23年度に行った大学コンソーシアム石川や大学行政管理学会において収集したアンケート結果等に基づく研究論文が、大学基準協会発刊『大学職員論叢』第1号(創刊号)に掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、平成24年度の研究実施計画として掲げた主要2項目である「①アメリカの大学におけるアカデミック・リーダーシップの成立条件、②アメリカの大学におけるノンアカデミック・スタッフのキャリアパス分析」について、計画どおりに調査研究を進めることができた。このほか、平成23年度の国立大学法人ガバナンス調査に続き、平成24年度には公立大学法人ガバナンス調査を行うことができた。ウェブ調査などによる定量的分析とインタビュー調査などによる定性的分析をうまく兼ね合わせながら、調査研究に必要な各種情報を得るとともに、成果発表について効果的に行うことができた。具体的には、平成24年度には国内発表2件、海外発表1件、招待講演1件、雑誌論文掲載3件を行うことができた。さらに、平成25年5月下旬開催の日本高等教育学会において口頭発表を行うほか、同年11月上旬開催のアメリカ国際学会(Professional and Organizational Development Network in Higher Education, Annual Conference 2013)での発表が採択されている。 以上のような理由により、本研究は、「概ね順調に進展している」と判断するものである。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度においては、研究計画最終年度として、これまで取り組んできた国内外の調査研究の結果について詳細な考察・分析を行い、成果発表等を効果的に進めていきたい。特に、これまでの研究成果や収集した情報を整理し、研究成果報告書にまとめることに尽力したい。当該報告書において、日本の大学の設置形態別の比較検証や日米の大学の比較検証を通して、自律的な大学経営を実現するための課題解決点を明らかにし、構造的文脈(コンテクスト)に応じた組織開発(OD)に関する理論構築を目指す。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究実施計画において、当該年度の研究の主要テーマである「①アメリカの大学におけるアカデミック・リーダーシップの成立条件、②アメリカの大学におけるノンアカデミック・スタッフのキャリアパス分析」に係る調査旅費を計上していたところであるが、ウェブ調査等を中心に作業を進めたため、次年度への研究費の繰越が生じたものである。 平成25年度の研究費の使用計画については、研究分担者2名を新たに加え、過去2年間の調査研究を強化しつつ、成果発表、成果報告書作成等に係る必要経費として前年度からの繰越分を併せて使用する計画である。
|