研究課題/領域番号 |
23531057
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
小川 英彦 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30290159)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | 幼児教育史 / 知的障がい幼児史 / 愛育研究所 / 中央児童福祉審議会 / 障害児保育事業実施要綱 / 養護学校義務制 / 障害者プラン / 特別支援教育 |
研究概要 |
(1)特別支援教育が2007年より開始された。その理念のひとつにライフステージで支援することが明確化された。本研究では、知的障がい幼児を対象として、幼児教育史、なかでも知的障がい幼児の歴史研究に着手した。(2)戦前と戦後の知的障がい幼児の歴史を以下のように、時期区分して通史研究をした。(1)障がい児保育の先駆け(~1962年):戦前については、愛育研究所(三木安正を中心に)の第二研究室や保育問題研究会の第三部会の取り組みを明らかにした。戦後については、1957年の精神薄弱児通園施設の新設を取り上げた。(2)障がい児保育の萌芽(1963年~1972年):1963年の中央児童福祉審議会の「保育に欠ける状況」の見直しについて言及した。公の場で障がい児保育の問題が取り上げられた点に特徴をみた。(3)障がい児保育の展開(1973年~1978年):1973年の大津市での全員受け入れ、同年の中央児童福祉審議会の「当面すべき児童福祉対策について」の答申における統合保育の意義に特徴をみた。1974年の「障害児保育事業実施要綱」でのポイントを明確化した。(4)障がい児保育の多様化(1979年~1995年):1979年の養護学校義務制を契機に重度の障がい児への対応がなされ、障がい児医療の発展と結びついた療育実践の展開に特徴をみた。(5)障がい児保育の再編(1996年~2006年):1995年の障害者プランでの地域療育支援事業に大きな制度的転換の特徴をみた。(6)障がい児保育の新たな転換(2007年~):2007年の特別支援教育の新たな制度で、幼児期の支援の重要さの特徴をみた。さらに、2008年の幼稚園教育要領と保育所保育指針の改定でのポイントを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に記した(1)戦前、(2)戦後について上記の時期区分をして、それぞれの時期の通史研究をかなり明確にできたため。 特に、(1)戦前の研究にあたっては、資料の収集が順調に進んだため、特徴ある研究となったと思われるから。
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今後の研究の推進方策 |
幼稚園教育要領と保育所保育指針はこれまで4回の改訂を経て今日に至っている。2008年の両者の改訂の中で、障がい幼児への記述を整理して、今日的に必要とされる特別支援教育の教育方法の指針を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
資料収集のため東京や福岡に出かけたり、通信費を中心にしたりして計画している。
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