本研究では,わが国との比較も念頭に,米国における教育行政・学校経営をめぐる理論と実践を素材として,現代教育実践が社会的諸関係の中で経済的要因・感情的要因(信頼,ルサンチマン等)に根ざす権力から影響を受ける実態を踏まえた上で,単なる民意の反映等,従来の諸発想の限界を指摘すると同時に,教師や保護者等の関係者が各々の影響力行使を教育の本質的理念に沿うよう自覚的に編み上げ直す営為および現象として学校のミクロ・ポリティクスを再定義し,教育政治概念・実践へとつなげていくことの有効性と必要性を明らかにしている。
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