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2012 年度 実施状況報告書

大学ガバナンス改革における組織文化と職員開発に関する国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 23531062
研究機関広島大学

研究代表者

大場 淳  広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (50335692)

キーワード大学ガバナンス / 組織文化 / 意思決定 / 職員開発
研究概要

本研究の2年目である平成24年度は、前年度に引き続いて、研究課題に関連して、文献読解、研究会参加、学会報告、訪問調査、研究打合せ等を行った。特に大学ガバナンスに関する先行研究の整理、学長やその他の管理責任者へのインタビューを通して、意思決定等にかかる諸問題の把握に努めた。
また、平成24年度秋(9~10月)には、研究協力者の支援を得て、全国の大学の副学長を対象とした大学のガバナンス及び組織文化についての全国調査を行った。記名回答式のアンケートであったが、本調査に対して347件の回答(回収率45.7%)があり、この種の調査の中では高い回収率であった。この調査結果に基いて、大学特性(歴史、地理的状況、学問分野、学生定員数、管理運営形態等)並びに定員充足状況を用いた経営状況と大学の組織文化の在り方についての関連性を回帰分析等によって明らかにすることを試みている。現在も当該分析を継続して行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

文献調査、国内訪問調査、国外訪問調査は順調に進んでいる。国内外の訪問調査については、本研究費で実施したものに加えて、他経費で大学等へ訪問した際に、本研究の課題に関するインタビュー調査や資料収集も行なっており、効率的に研究を進めている。その結果、概ねどの大学でも、学問領域の専門性を尊重しつつ教育の質保証・改善や研究の推進を図りつつ、社会の新たな要求に対応するために学内のリソースを集約するため、学内の合意形成を図りつつ意思決定を行うといった、矛盾した取組を進めるのに苦慮しつつ様々な工夫していることが知られた。
また、前述アンケート調査の結果からは、更なる検証が必要であるが、これまでの検討によって、組織文化がリーダーシップと密接な関係性があることを限定的ではあるが定量的に示すことができている。これによって、昨今の大学改革において上意下達的意思決定や組織改革が重視される傾向がある中で、企業トップとは異なり信頼や分権を基調とする学長リーダーシップの特性あるいは組織文化の重要性が浮き彫りにされたものと思われる。

今後の研究の推進方策

文献調査、国内訪問調査、国外訪問調査は継続して行う。特にアンケート調査で不明な点、詳細等について個々の大学に尋ねるべきことを中心として、訪問調査を行う。また、並行して海外調査も実施する。
前述の大学ガバナンス・組織文化についての調査は分析が途中であるので、継続して行う。例えば、リーダーシップに対する各種規定要因間における因果関係の分析には至っていないのでこれを明らかにする。また、有効性の検証に用いる成果指標と組織的なリーダーシップの在り方についても今後検討を進める。
また、上記調査とは別に、大学ガバナンスに関連して、構成員(教職員や学生)の意思決定への参加や職員開発についてアンケート調査を行うことを検討している。
前年度までの活動及び25年度の上記活動を通じて、大学の組織文化や職員開発についての課題を明らかにし、可能であれば、改革のための参考となるような提言を行うこととしたい。
これらの研究成果については、学会・研究会での報告、報告書刊行、学会誌・紀要への投稿等を通して、積極的に公開することを予定している。

次年度の研究費の使用計画

文献購入、国内外訪問調査、学会・研究会参加、打合せ会合開催、資料整理等に使用を予定している。本年度は最終年度であるので、まとめに向けて連携研究者・研究協力者による打合せをこれまでよりも高い頻度で行う。また、構成員の意思決定参加や職員開発についてのアンケート調査の実施経費(郵送料、入力経費等)を見込んでいる。
また、上記の手法での研究成果公開の経費を予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大学の管理運営 とリーダーシップに関する実証的研究2013

    • 著者名/発表者名
      前田一之
    • 雑誌名

      広島大学大学院教育学研究科修士論文抄

      巻: 平成24年度 ページ: 357-358

  • [雑誌論文] Développement de la coopération dans l'enseignement supérieur2012

    • 著者名/発表者名
      Oba, Jun
    • 雑誌名

      Revue internationale d'éducation

      巻: 60 ページ: 21-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quels services rendus aux étudiant par les universités? Les enseignements d’expériences étrangères2012

    • 著者名/発表者名
      Charles, Nicolas, Harfi, Mohamed & Oba, Jun
    • 雑誌名

      Note d'analyse du CAS

      巻: 292 ページ: 1-12

  • [学会発表] Comparison of University Governance: USA, UK, France and Japan2012

    • 著者名/発表者名
      University Governance Reforms in Japan
    • 学会等名
      RIHE International Seminar
    • 発表場所
      Hiroshima University
    • 年月日
      20121124-20121124
  • [学会発表] Governance of universities: changing organisational and decision-making structures in Japan2012

    • 著者名/発表者名
      Oba, Jun
    • 学会等名
      RIHE (Hiroshima University) - CSHE (University of Melbourne) Joint seminar
    • 発表場所
      Hiroshima University
    • 年月日
      20120405-20120406
  • [図書] 教職協働時代の大学経営人材養成方策に関する研究(高等教育研究叢書123)2013

    • 著者名/発表者名
      山本眞一編
    • 総ページ数
      111
    • 出版者
      広島大学高等教育研究開発センター

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公開日: 2014-07-24  

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